終活事始め

最大の終活は、健康寿命をいかに長く維持し、周りに負担・迷惑をかけない取り組みをすることだと思います。

出汁について≪健康寿命のため減塩を!≫

 年末年始で料理をする機会も多く、改めて出汁の大切さを実感しました。


 以前、東京ガスの料理教室で、「出汁」について学ぶ機会がありました。
 「にんべん」から講師の方を招き、鰹節と昆布のそれぞれ2~3種類を、湯にかけるタイミング、時間によって引き出される出汁の違い、鰹節と昆布を合わせた出汁の相乗効果について、飲み比べるというもので、大変参考になりました。


 家では都度都度、出汁をとるということも面倒なので、「茅乃舎だし」を活用しています。
 これだけで、鰹節のイノシン酸、昆布のグルタミン酸の相乗効果がありますが、これに干椎茸のグアニル酸をさらに相乗させています。
 干椎茸は前の晩から、茅乃舎だしは料理開始前から水につけ、これを煮出すだけですので簡単です。
 しかも、茅乃舎だしには食塩や粉末醤油も含まれているため、ほんの微量の塩を足すだけでお吸い物の「汁」ができます。おでんもこの汁を使えば上品で、素材を生かした味になりますし、煮物もこれをベースにしています。
 もちろん、年越し蕎麦や雑煮も微量の塩のみ、または味変で色付け程度の醤油で十分です。


 高血圧なので、もともと塩分は控えなくてはいけないのですが、なかなか控えられないのが実情でしたが、出汁に目覚めてからは随分と変わりました。
 あまり本格的な和食店で食事をする機会は少なく、お椀物は美味しかったという漠然とした印象だけで、塩味を気にしたことはなかったのですが、奈良ホテルでいただいた御吸物(清汁仕立、鯛松皮新蒸、紅葉麩、かぶら、大根、人参、三つ葉、柚子)は、出汁の味が立っていて塩味は全くといっていいほど感じられないものでしたが十分美味かったです。
 鎌倉の建長寺のレシピのけんちん汁、奈良の興福寺のレシピの粕汁と精進汁をいただいたときも非常に薄味で、かつ精進なので鰹節が使えない代わりに昆布と椎茸を始めとした野菜から十分な出汁を引き出したものでした。
 いずれファイトケミカルについて触れたいと思いますが、野菜から出る出汁も味わい深く、今は、それらを基本にしています。出汁がとれていれば塩分は微量で十分です。


 話が発散してしまいますが、味噌汁には、ミルで粉末にした煮干しを使っています。
 カルシムもたっぷり摂れますが、煮干しも出汁も美味いです。うどん・蕎麦のつけ汁にも煮干し出汁があいます。


 「味の素」はどうかということですが、今は使っていません。
 私が子供の頃は、全ての味の決め手として多用していた記憶があります。
 町中華は大好きなのですが、お玉でたっぷりすくっているところを見かけると「ちょっと」ということになります。
 昔は「化学調味料」と呼ばれていましたが、今は「うまみ調味料」に変わって、そしてグルタミン酸ナトリウムを成分としているので、入れれば「旨味」が増すことは間違えないのですが、ついつい多用することが問題視されています。
 多量摂取は避けなければいけませんし、簡単な方法でも自分で「出汁をとる」ことが、出来上がる料理を一層おいしく感じさせてくれる効用がありますし、減塩に有効と感じています。


氏神様の牛嶋神社