ファイトケミカルについて
前回の「出汁について」の中で書いていたファイトケミカルですが、随分前にテレビで紹介されていた高橋弘先生の「ハーバード大学式命の野菜スープ長生き味噌プラス」などに書かれているものです。
スープや味噌汁に関しては、小林弘幸先生の「医者が考案した「長生きみそ汁」」や内野勝行先生の「脳のおそうじスープ」を始めとして色々な著作が多数ありますが、ありすぎてとまどってしまいます。
それぞれ効能がありそうなので、いずれ紹介したいと思いますが、一番惹かれて実践しているファイトケミカルの味噌汁について先行して書いておきます。
私が惹かれているのは、「健康寿命を延ばす効果がある」という点です。
そして、わかりやすく次のように説明されています。
人間の老化は、臓器や器官の機能低下を伴いますが、それは臓器や器官を構成している細胞が老化して働きが悪くなることによります。
細胞の老化とは、細胞が細胞分裂しなくなった状態で、エネルギー代謝の副産物として産出される活性酸素が細胞にダメージを与えることにより、細胞分裂の停止や細胞死が引き起こされることによります。
活性酸素は、呼吸によって体内に取り込まれた酸素のごく一部が変化したもので、強い毒性を持っています。
がん、動脈硬化、脳卒中、心筋梗塞、高血圧、糖尿病の合併症など病気の9割以上に活性酸素が関与しています。
なので、活性酸素を除去すれば、がんを始め多くの病気が予防できます。
そのため、活性酸素の害から守ってくれる“抗酸化物質”を摂取する必要があるのです。
その“抗酸化物質”を多く含んだ食材が野菜です。
野菜は、代表的な抗酸化物質であるビタミンA、C、Eとファイトケミカルを多く含んでいます。
ファイトケミカルとは、「ファイトphyto=植物」「ケミカルchemical=化学成分」の意味で、自分で動くことのできない植物が紫外線や有害物質から身を守るため作り出した物質で、栄養素ではありませんが、強い抗酸化作用、免疫力を高める作用、発がんを抑える作用があり、健康維持や生活習慣病の予防に役立つ「機能性成分」として位置づけられています。
ファイトケミカルは特定の物質ではなく、野菜の有する色、香り、苦み、辛み、渋みなどです。トマトの赤であるリコペン、唐辛子の辛みであるカプサイシン、大豆のイソフラボン、ごまのセサミン、にんじん・かぼちゃのβカロテン、レモンの香りであるリモネンなどで、植物由来のものなので緑茶や紅茶にも含まれます。
非常に納得のいく説明ですね。
先生の本では、「基本の命の野菜スープ」に様々なバリュエーションの「味噌玉」を加える、ファイトケミカルと発酵食品の相乗効果としてより健康効果がアップする「長生き味噌プラス」として紹介されています。
基本の命の野菜スープレシピ
材料
水 1ℓ
キャベツ 100g
玉ねぎ 100g
にんじん 100g
かぼちゃ 100g
調理方法
1 キャベツ、玉ねぎ、かぼちゃは1口大、にんじんは5mm幅程度のいちょう切り
2 不織布の袋にたまねぎの皮、にんじんのへた、かぼちゃの種を入れる
3 2を入れた水で、キャベツ、玉ねぎ、にんじんを蓋をして強火で煮る。
沸騰したら火を弱めて蓋をしたまま10分煮る。
4 かぼちゃを加え弱火のまま蓋をして10分煮る。
5 不織布を取り除き冷やす。
6 1杯分ずつ冷凍する。
※ 味付けはしません。
※ 不織布の袋にたまねぎの皮、にんじんのへた、かぼちゃの種を入れて一緒に煮込む
こともポイント
※ 煮込むときは、蒸気と一緒に野菜の成分が逃げないように蓋をぴったり締めること
もポイント
※ 冷凍すると更に細胞膜が壊れ効果大。2~3週間は保存が可能
味噌玉
味付けなしで飲むことも可能ですが、1個分約9g程度の味噌玉を作って冷凍しておいて、飲むときにこれを合わせます。
味噌玉は、鰹節、ゆず、しょうが、海藻、ゴマなど様々なものを加えて作り、冷凍して2週間の保存が可能です。
煮込むことの重要性
野菜のファイトケミカルが含まれる細胞は、硬い細胞膜に守られているので、この細胞膜を破壊しないと、人間は吸収できません。
野菜を煮込むと細胞膜が破れてファイトケミカルの8~9割が煮汁の中に溶け出して吸収しやすくなります。
生の野菜の絞り汁より、ゆで汁の方が百倍も「発がん促進」を抑制する抗酸化力が強いことが分かっているのだとか。
アレンジ
紹介されているレシピは、かぼちゃが煮崩れたり、不織布が必要だったり、冷凍しなくてはいけないので、自分なりに変えています。
A 命の味噌汁
1 鉄の中華鍋で玉ねぎの皮、人参のへた、キャベツの芯を煮込む。
2 1の煮汁をざるでこし、にんじん、たまねぎ、油揚げ、粉末にした煮干しを加え煮
る。
3 沸騰したらキャベツを加え、味噌を合わせる。
※ 鉄鍋で鉄分、粉末煮干しでカルシウム摂取を心がけています。
冷蔵庫で3日程度の保存をしています。
この命の味噌汁を再加熱して飲む際、えのきなどのキノコ類、豆腐、わかめなどを加えると単調さを回避できます。
B かぼちゃのハチミツ煮
1 1/4サイズのがぼちゃをわたと種を取り8~10個程度に切り分ける。
2 フライパン又は鍋に1とハチミツ50cc程度と水150~180ccを加え、落し蓋(クッキ
ングペーパーと重しの鍋蓋)をして、中火で8~10分程度煮る。
※ 2の工程の際、レモン又はゆずなどを加えると風味豊か。ハチミツは種類によって量を
調整。私は山田養蜂場のハニードリンクゆずを使っており、その際は、ハニードリンク
100~120ccと水100cc程度です。かぼちゃの大きさで多少前後です。
私は、朝に命の味噌汁の他、レンチンのブロコリー、プチトマト、納豆、魚か玉子のタンパク質、夜には、かぼちゃのハチミツ煮の他、りんご酢とえごま油につけたオニオンスライスと米酢とえごま油につけた炒り大豆を欠かさず食べるようにしています。
効果の程は分かりませんが、風邪もひかず(コロナ予防のせい?)元気です。
このブログへのコメントは muragonにログインするか、
SNSアカウントを使用してください。