ノンレム睡眠と認知症
認知症については、23.1.27に「「認知症は先手を打てば防げます」を読んで」を投稿していますが、NHKの「未病息災を願います」ではノンレム睡眠よりもレム睡眠が認知症に非常に重要であることを再認識しました。
番組終盤に睡眠研究の第一人者の柳沢正史先生が、番組ゲストされていて、内容は、柳沢先生のご指導によるものと思いつつも、先生の著作「睡眠の超基本」を読んで、2024.11.3に「レム睡眠(夢と金縛り)」を投稿したのですが、レム睡眠が認知症に効果があることに失念していたので、改めて読み直したところ、小さい字で書いてあるので、意識が届いていませんでした。
テレビでは、とても分かりやすく取り上げていただき、理解を深められました。
番組の内容です。
世界各国の研究機関から睡眠と認知症の関係について、多くの報告が出されていて、その中の1つに、認知症でない60歳以上の321人を最大で19年間追跡調査したところ、レム睡眠が1%減る毎に認知症リスクが9%上昇するというものがあり、レム睡眠は、夢を見る状態なので、脳に何らかの寄与をしているなど思いもつかず軽視されていていましたが、実は非常に大事だと注目され始めたとのことです。
日本の研究チームもレム睡眠中に脳がリフレッシュしていることを見出しています。
それは、脳を覗ける二光子励起顕微鏡という特殊な顕微鏡を使って、マウスの毛細血管の血流(血液中の赤血球がどれくらい流れたか)を調べ、画像処理したものなのですが、覚醒時に対してレム睡眠時の方が、毛細血管に流れる血液の量が約2倍も多かったことが分かったのです。
ちなみに深い睡眠であるノンレム睡眠よりも3倍も多く流れていたのです。
脳には血管や神経細胞が張り巡らされていて、レム睡眠の時、毛細血管を通る血液によって脳の神経細胞に酸素や栄養が送り届けられ、その後、使われて不用となった二酸化炭素や老廃物が血液によって回収され、これらがしっかり行われることによって、脳がリフレッシュされ、高い機能が維持できているのです。
これらができないと、運ばれる酸素も栄養も、また排出される二酸化炭素や老廃物の量が減るので、毛細血管が老化しやすくなり、神経細胞が死滅しやすくなってしまうのです。
その結果、血管性認知症やアルツハイマー型認知症のリスクを高めてしまうと考えられているのです。
このように大切なレム睡眠を阻害する要因は、アルコールの摂り過ぎ、昼寝のし過ぎ、睡眠時無呼吸症候群などです。
また、ぐっすり眠る能力も、正常な加齢現象の一環として衰えていくし、夜の間に分泌されて深部体温を下げるなど、身体を睡眠に適した状態に整えるホルモンであるメラトニンも年とともに分泌が悪くなり、10代をピーク時として、50代はその1/8まで減ってしまうので、年と共に眠れなくなるのは当たり前のことなので、いつまでも自然体やいつも通りでなく、寝つきの悪さ改善など、よく学ぶことが必要ですね。
2024.11.3に投稿した「レム睡眠(夢と金縛り)」の復習です。
レム睡眠とは、急速眼球運動(Rapid Eye Movements)と呼ばれる睡眠段階です。
レムは、急速眼球運動で、その頭文字のREMです。
特徴は、急速眼球運動ですから、眼球が素早く動いている状態ですが、筋肉は完全に脱力していて、脳は非常に活発で、脳の血流が増えることも分かっています。
レム睡眠の不足で起こることは、認知症を招くリスクが高まることは前述の通りですが、レム睡眠に限らず、睡眠が十分にとれないと認知症リスクが4倍になるという調査もあります。
睡眠中には脳脊髄液が脳内に流れ込み、老廃物を除去すると考えられており、睡眠時間が十分でないと、このプロセスが適切に行われず、アミロイドβが脳内に蓄積されやすくなり、認知症リスクが高まるのです。
さらには、レム睡眠が5%減るごとに死亡率が13%上昇するという研究結果もあるそうなので、レム睡眠恐るべしなのですが、どうやったらレム睡眠をきちっととれるかについては触れられていません。
いずれにせよ、睡眠を十分にとることしかないですね。

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