終活事始め

最大の終活は、健康寿命をいかに長く維持し、周りに負担・迷惑をかけない取り組みをすることだと思います。

オトナ歯磨き術

 前回の「ラクトバチルス・ラムノーザス(L8020乳酸菌)」では、いかに虫歯菌や歯周病菌に有効なものであっても、住処である歯垢が食事をしてから約4~8時間で作られてしまうため、その歯垢を歯磨きやフロスで落とすことが必要であることを書きました。


 そこで、歯磨きの話なのですが、いままでも口腔ケアについては、「口腔ケア(歯周病菌が認知症発症リスクを高める)「噛む噛むパワー」「8020について」「歯周病について」と投稿し、虫歯も歯周病も、原因は各々の細菌であること、特に歯周病については、歯周病菌やその菌が産生する毒素、炎症反応性物質が、歯茎の毛細血管を通じて、全身のあらゆる組織に送られ、心臓血管疾患、糖尿病などを引き起こすリスクを高めるとともに、唾液に含まれる細菌が誤って気管支、肺に入ると気管支炎や誤嚥性肺炎を引き起こし、さらには肥満やメタボリックシンドロームとの関連があること、歯周病菌が認知症の原因となるアミロイドβの生成・蓄積を促進させることなどを書いてきました。


 歯磨きについては、軽んずることなく、認知症リスク回避のためにも、しっかり噛むことが続けられるようにするためにも、毎日の正しい口腔ケアと定期的歯科検診・治療の重要性につても書いたところですが、正しい歯磨きの仕方については、今まで得ていた知識と自分の思い込みを疑うことなく当然と思っていましたが、「あしたが変わるトリセツショー オトナ歯磨き術★歯周病&虫歯シャットアウト」を見て反省しました。


 驚きました!子供の頃習った歯磨きの仕方は力を入れ過ぎで、大人になってからではNGであること、音が出るくらいの強さでは200g以上で400~500gに達するものもあるような強さですが、推奨される強さは150g~200gであり、これはわずかに音がでる強さです。


 音が出るくらいの強い磨き方は、磨いている感じがしますし、気分がいいのですが、歯と歯の間、歯と歯茎の間の汚れや細菌が落ちていないのだそうです。
 強い力と弱い力では、歯ブラシ(毛先)の動きに違いがあるのです。
 弱い力だと歯ブラシの動きが自然と小さくなるのに対して、力が強いと歯ブラシの動く幅が大きくなるため、毛先が横向きに押しつぶされ、歯と歯の間に毛先が届かないのですが、弱い力だと小刻みに毛先が動いて歯と歯の間にも届くのです。
 実験を見て、この違いが歴然で、驚きました。


 私も、磨き方が強すぎると、歯のエナメル質を削ってしまうとか、歯茎を傷つけてしまうと思っていましたので、それほど強い磨き方ではなかったですし、歯と歯の間や歯と歯茎の間までちゃんと磨いているつもりでしたが、推奨される強さはオーバーしていました。


 ほとんどの歯ブラシのパッケージの裏には、「上手なブラッシングのコツは、軽い力で小刻みに動かし、毛先をうまく使ってみがくことです。乱暴にみがくと、汚れが落ちにくいだけではなく、歯グキを傷つける原因にもなります。」のように、正しい磨き方が書いてあるのだそうです。


 大人になったら、意識的に磨くべき場所として、歯と歯茎の間が重要になります。
 口の中の菌は、生まれた時から種類が増えていき、その中でも最も強力で病原性が高い菌が番組呼称ではP.g菌で、未成年の口の中にはほとんでいないものです。
 なぜなら唾液感染で定期的に唾液交換(キス)することによって感染するからなのです。(キスは、歯周病菌と虫歯菌も分かち合ってもいいという神聖な儀式なのだとか)
※ P.g菌とは、歯周病の原因菌は800種類を超えるほどあり、その中で重度の歯周病に影響があるといわれている3種類の中でもリーダー的存在の菌であるPorphyromonas gingivalis ポルフィロモナス・ジンジバリスです。


 歯と歯茎の間である歯肉溝にP.g菌が定着しても、P.g菌は酸素が苦手なため、酸素が届いていなければ活性化しないのですが、磨き残しの歯垢が歯肉溝にフタをしてしまうと酸素が減少して、P.g菌が活性化し歯肉から出血させたり、P.g菌の排泄物を食べた本来無毒な菌をも歯肉を攻撃する菌に変えてしまうのです。
 これが悪化すると歯が抜け落ちるということにもなりかねないのです。


 P.g菌は一旦口内に住み着くと、完全な排除は不可能で、できることは、その量を減らすことだけなので、適切な力で歯と歯茎の間までも磨くオトナ歯磨き術が重要になります。
 前回書いたL8020乳酸菌製品に頼るにも限度があります。
 先ずは、歯垢除去です。


 歯ブラシの毛先は、やわらかめは、歯茎へのやさしさや細部への届きやすさには優れていますが、歯垢除去力には劣るので、「ふつう」がお勧めだとか。


 歯ブラシの持ち方は、ペングリップや端っこ持ちがいいのだそうですが、子供の頃からの習慣はそう簡単に変えられないので、継続できない方が多いようです。
 歯ブラシの端っこ持ちするところにテープを巻いたり、注意喚起の紙を目線が来る所に張ったりすると効果があるのでとか。


 そして、将来残る歯の本数に大きく関わるのが、プロフェッショナルケア(歯科医でのケア)です。
 セルフケアで、正しい歯磨きを行っても、歯ブラシのみでは歯垢除去率は61.2%で、目標値の80%には届きません。
デンタルフロスを併用しても79.0%でしかないし、溜まってしまった歯石は歯磨きでは取れないからです。
 ケアの目安は年3~4回、費用は保険適用で1回3,000~5,000円です。


 私は、以前書いている通り、歯に問題を抱えていて、定期的に歯科を受診しているので、自動的にプロフェッショナルケアも受けてはいるのですが、その重要性の認識が全くありませんでしたので、心から反省をしております。