エンディングノートの成り立ちからの注意事項
雑誌PRESIDENTに掲載されていた行政書士・ファイナンシャルプランナーの明石久美氏の「「もしものとき」を見える化 いざというとき助かる エンディングノート」を読んで、そもそものエンディングノートの成り立ちからの注意事項は参考になりました。
まず、エンディングノートの成り立ちです。 ※( )はインターネット検索
・1983年頃、葬儀の返礼品などを扱う会社が販促ツールとして制作
(1991年頃、セキセーの創業者石原氏が「マイ・エンディング 私の準備ノート」を出
版)
・2003年頃、あるNPO法人が制作したエンディングノートが話題
(2003年NPO法人のNALCが「NALCエンディングノート」を出版)
・それをきっかけに、葬儀社など供養業界の関係者が次々と独自のエンディングノートを
作り、販促ツールとして配り始めた
当初のエンディングノートは、供養関係者の手になっていたので、葬儀や墓、相続など「死後の準備」に主軸が置かれていましたが、その後、医療や介護などの業界も参入し、「老後をよりよく生きるために役立つ」として広く活用されるようになったのだそうです。
エンディングノートは営業ツールとして生まれているので、残された家族のためという視線で内容を吟味して作られているわけではなく、他者の内容を真似した上で自社に都合のいい内容を追加するケースが多く、必要のない事項やかえってトラブルを招くような内容を書かせるようになっているものも多いと注意喚起されています。
特に先生が推奨されることは、自らの「思い」は省いて「事実」のみを書くことです。
「事実」とは、金融機関情報や保険証情報など客観的情報です。
「思い」とは、自らの「要望」で、「介護は誰にしてもらいたいか」「どこで介護してほしいか」「どんな葬儀がよいか」などで、ともすれば家族の混乱や諍い・迷惑に繋がりかねないとされています。
家族を困らせる3つのNGパターン
① 介護をお願いする人を指名
誰か1人を指名すると、その人に負担が偏る可能性が高い。
介護が必要になったら、その時に家族で相談すればよい。
② 葬儀の希望を明記
たとえ本人の希望でも、葬儀を行わないことで、まわりから責められたり、別の日に
弔問客が訪れて負担になったりするかもしれない。
③ 形見分けを明記
遺品を受け取る人を指定されると、他の家族から不満が出て、もらう人が困ることも
ある。生きているうちに直接言ったほうがよい。
概ね納得なのですが、葬儀については家族が決めるべきとされ、葬儀をしないだけでなく、家族葬と指定された場合などもそうですが、残された家族は死後の悲しみ?で余裕がない中、慌ただしく進むのが葬儀であるので、私は予めお膳立てしておきたいと思います。
連絡の際、「故人の強い意向」により、このようにしたい(又はした)と説明して、納得しない親族は相手にする必要がないレベルですね。
残すべき3種類の「事実」25項目
① 基本情報
氏名・性別・生年月日・血液型・電話番号・住所
かかりつけ医情報
体質・飲んでいる薬
病歴・手術歴
緊急連絡先
その他(臓器提供意思表示、ペースメーカーなど医師に知らせるべき情報)
延命治療を望むか望まないかとその理由
余命や病名を知りたいかどうかとその理由
自身の趣味・趣向・やってみたいこと
② 供養についての情報
葬儀社の連絡先
菩提寺・教会・神社などの情報
遺影用写真の保管場所
訃報連絡先
次の祭祀承継者への情報
③ 財産についての情報
本籍地情報
親族関係図
預貯金口座・引落情報
借入金・ローン
有価証券
保険・確定拠出年金
その他の金融資産
所有不動産・賃貸借契約
クレジットカード情報
ネット取引情報
その他解約や退会が必要なもの
上記項目について、解説されていますが、基本情報にある最後の3つが重要とのことです。
私のエンディングノートは、現在も加筆・修正中なのですが、「自身の趣味・趣向・やってみたいこと」には考えが及んでいませんでした。
これは意思表示ができなくなったときに役立つのだそうで、本人の好みがわかれば、好きな音楽を流し、花を飾ることができるなどお気に入りのことをしてあげることができるからというものです。
認知機能が低下しても好きなものは好きで、嫌いなものは嫌いなのだそうです。
書いておく「趣味・趣向」も18項目も列挙されています。
趣味・特技、食べ物の好き嫌い、最期に食べるとしたら、好きな音楽のジャンルなどです。
音楽などで、クラッシックやジャズは何か嫌味ですし、ニューミュージックやシティポップも好きなのですが、松任谷由実さんの「真夏の夜の夢」や竹内まりやさんの「駅」がかかっていたら、周りも引くでしょうし、落ち着いて死ねないですね。
まあ、チャイコフスキーのくるみ割り人形くらいが妥当でしょうか?ゆっくり考えます。
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