終活事始め

最大の終活は、健康寿命をいかに長く維持し、周りに負担・迷惑をかけない取り組みをすることだと思います。

免疫力を下げる意外な悪習慣

 2023.3.10に「免疫力向上について」を書いたところですが、日曜朝の「健康カプセル!ゲンキの時間」で取り上げた「風邪をひかない人は何が違う?免疫力を下げる意外な悪習慣」は参考になりました。


 前回は、「自然免疫」と「獲得免疫」の2種類があり、獲得免疫を高める方法として、「腸内環境を整える」「体温を上げる」「ストレス解消」「生活習慣の改善」などについて書きましたが、紹介された「粘膜免疫」とは初めて聞く内容でした。


 寒さが厳しいこの時期、風邪やインフルエンザなどの感染症に注意が必要ですが、季節の変わり目は風邪をひきやすいという方もいれば、この10年風邪をひいていないという方もおいでになり、その違いは、免疫力に差があるということです。


 免疫(力)とは、ウイルスや細菌などの異物や病原体から身体を守る防御システムですが、この免疫機能は加齢で低下します。
 示されていていたNK細胞による免疫力は、20歳頃が最も高く、50歳になると半分以下になり、70歳になると20歳の頃の10%まで落ちています。
 でも、免疫力は、加齢だけでなく、普段の過ごし方によって大きな差が生まれやすいのですというのが番組の肝でした。


 その免疫には、白血球やNK細胞のような、体内に侵入し、細胞に感染したウイルスや細菌を攻撃する全身免疫とウイルスや細菌が口や鼻から侵入してきた直後に体の中に入らないようにシャットアウトする粘膜免疫があります。
 全身免疫は、病原体などが身体に侵入してから働く=感染はするけれど重症化は抑える
 粘膜免疫は、身体に侵入する病原体などを防ぐ=病原体を身体の中に入ってこないよう
ブロックし、感染を防ぐ


 粘膜免疫の中で重要な役割を果たすのが唾液で、感染症から身体を守る粘膜免疫の最前線となり、感染症予防のカギは「粘膜」です!


 唾液には、IgA抗体と呼ばれる抗体が含まれています。
 IgA抗体とは、ウイルスなどの病原体が侵入した時に、結合して中和(無毒化)し、排
除し、感染そのものを阻止してくれるもので、様々な細菌やウイルスに対応してくれる粘
膜粘液の中心的存在です。
 唾液の他に、鼻水や涙にも入っています。


 唾液量が少ないとIgA抗体が少ない可能性がありますので、唾液を増やすことが感染予
防のために重要になります。
 普段から口が乾く人は要注意です。
 注意したいパターンが2つあります。
 1つ目は、早食いです。
 咀嚼で口の周りの筋肉を使うと唾液腺が刺激され唾液の量が増えるので、噛まない早食
いは唾液の分泌量が減少してしまいます。


 2つ目は、いびきや口呼吸です。
 就寝中、いびきなどで口を開けていると、唾液が蒸発しまうので、IgA抗体も少なくなりウイルスが侵入しても防ぎきれません。
 就寝中でなくても、いびきをかきやすい人は普段から口呼吸の傾向があり、唾液減少で風邪やインフルエンザなど感染症にかかりやすくなります。


 また、睡眠時間が少なすぎても、多すぎてもIgAの分泌量が少ないというデータがあり、適正な分泌量が期待できる睡眠時間は6~8時間となっています。


 ストレスや疲労もIgAを減らす原因となります。


 紹介された、唾液の分泌量を増やすことにより、体内のIgAを増やす改善方法です。
 どちらもいつ行っても良いですが、毎日続けることが重要です。
・両手の人差し指から小指までの4本の指を頬に当て、上の奥歯付近を後ろから前に向かっ
 て10回回す。
・両手の親指を揃えて顎の真下から手を突き上げるように10回押す。


 そして、IgAは、増やすだけではなく、できるだけ若いIgAを作ることが重要になります。
 免疫は、一度感染した病原体に再度感染したときに、初回より迅速に病原体を攻撃する免疫記憶という機能を持っていますが、加齢とともに、物覚えが悪いIgAが増えてしまいます。
 すると、病原体への反応がにぶり、感染症にかかりやすくなってしまうのです。
 ここで、カギを握るのが「パイエル板」で、これは、小腸の壁にあって、IgAを産出する免疫細胞が多く集まる免疫器官です。
 パイエル板で作られた免疫細胞は、血液に乗って全身に巡り、粘膜免疫として働きますので、病原体などをパイエル板の免疫細胞たちに触れさせ、人体にとっての敵の特徴を学習させ、新しいIgAを作る必要があります。
 パイエル板に元気がなくなると、縮小してしまって、若いIgAが生まれにくくなりますが、パイエル板が元気な人はIgAが豊富につくられ、感染症にかかりにくくなります。
 一番大切なことは食生活で、パイエル板を元気にする栄養素はビタミンB1です。
 最も有効なのは豚肉、そして玉ねぎやニラに含まれるアリシンはビタミンB1の腸管での吸収率をアップしますので、玉ねぎ入りの豚の生姜焼きやビタミンB1は水に溶けるので余すところなく摂取できる豚汁がお勧めメニューです。


 また、身体を温めることは非常に大事な事で、体温を1度上げると、免疫力が大幅にアップしますので、シャワーでなく、40度位のお風呂に10分位つかることを続ければ、体温は1度程度上昇することも強調されていました。


 「粘膜免疫」と「IgA」参考になりました!
 2023.7.3に投稿した「噛む噛むパワー」では「IgA」に触れていませんでしたが、改めて「噛む噛む」の重要性、とりわけガムを噛むことは、ウォーキング同様、多くの健康阻害因子の排除に有効であると実感しました。