終活事始め

最大の終活は、健康寿命をいかに長く維持し、周りに負担・迷惑をかけない取り組みをすることだと思います。

大谷義夫先生のウォーキングに関する論文研究

 ウォーキングは、私にとって最大の健康寿命延長対策で、過去、2022.11.4と2023.6.30の2回、このブログに書いているのですが、池袋大谷クリニック院長 大谷 義夫 先生が、自ら実験研究した訳ではないのですが、ウォーキングに関する世界の論文を徹底研究したそうで、いくつかの番組に出演されていました。


 大谷先生は、コロナ流行時にはテレビで見ない日はなかったくらいの方なので、皆さんご存じだと思いますが、スキンヘッドの少し頼りない感じの方です。
 出演番組の中でも、林修の今知りたいでしょ!『これが最強!冬の「歩き方」講座 免疫力UPでかぜ・インフルと戦う!』でのお話は参考になりましたので、それをベースにまとめてみました。


 まず、何となく意識していましたが、「冬こそウォーキングが効果的、冬は基礎代謝が上がって痩せやすい季節」についての解説です。
 基礎代謝は、人間が生命活動を維持するために必要な無意識に行っている最低限のエネルギー消費で、呼吸、心拍、体温維持、腎機能の維持などに使われていますが、最もエネルギ―消費が大きいのは“体温維持”のためで、冬は気温が低いので消費されるエネルギーが大きくなるため=基礎代謝が上がるので、痩せやすくなります。
 (ただ、正月太りはありましたが、冬に痩せた実感はありません。)


 そして、ウォーキングする上での4つの疑問についての結論です。


1 最新研究 結局1日何歩歩けばいい?→10,000歩
  歩数を1,000歩増やせば全死亡リスクが15%低下(4,000歩以上を対象)!
  1日4,000歩歩く人をベースに、1000歩増える毎に死亡リスクが15%づつ減少していき  
 ますが、10,000歩と12,000歩、15,000歩に有意差はないという研究結果があるため、お勧 
 め歩数は10,000歩です。
 (示されたデータでは、歩数を1,000歩増やせば死亡リスクが低減することは確認できた
 が15%低下というのは理解できませんでした)


2 歩くと高血圧改善が期待できる場所は?→下り坂
  歩いている時、着地の際、脳へ伝わる衝撃が、脳内にある血圧調整中枢の細胞を刺激 
 し、これにより血圧を上げる物質の量が減少するため高血圧改善につながります!
  脳への刺激を考えるなら下り坂を歩く方が効率的で、0.5G~1Gあたりが有効な衝撃で 
 あるところ、実験結果では、平地では0.5G未満しかなく、逆に下り坂は緩やかでも有効 
 値に達していることが分かりました。
  また、上り坂より下り坂の方が筋力アップにつながることが分かっています。
  下り坂だと、ブレーキをかけるように踏ん張り、負荷がかかると膝が曲がりますが、
 膝が前に折れないように筋肉が耐えていて、太ももの筋肉が伸ばされながら負荷がかか
 っています。上り坂だと逆に太ももの筋肉は縮みながら負荷がかかるところ、筋肉は伸
 ばされながら負荷をかけられる方が負担大なので、筋力アップにつながります。
 (椅子にゆっくり座ると太ももの筋肉は伸ばされながら負荷がかかる。ゆっくり立つより 
 座る方が辛い。)
  なお、階段は接地面が平なので、下り坂のような効果はあまりありません。
  筋肉は縮みながら負荷をかけた方がエネルギー消費が大きくなるので、エネルギー消 
 費・痩せたい場合は上り坂の方が有効です。


3 感染症を防ぐ歩く速度は?
 →軽い運動は免疫を上げ、激しい運動は免疫を落とします!
  風邪やインフルを防ぐ免疫力UPには、ゆっくり歩き(時速4Km)で十分です。
  逆に、激しい運動は免疫を落としてしまいます。
  運動の激しさと感染リスクに関する研究があり、過度な運動をしている人は感染リス
 ク大、運動不足の人は感染リスク中、適度な運動の人は感染リスク低となっています。
  過度な運動により活性酸素が過剰に産生され、炎症が起こり、免疫細胞の機能が低下し 
 てしまうからです。
  なお、アスリートなど激しい運動に慣れている人には当てはまりませんが、慣れていな 
 い人は注意が必要です。


4 いつ歩けば痩せやすい?→食後・小分けウォーキングが痩せやすい体をつくる!
  食前まとめて歩くより、各食後少しずつ歩く方が、1日の平均血糖値が下がるので、
 太りづらい体になります。
  18歳から40歳を対象にして、座ったまま、朝30分まとめて歩く、30分おきに小分けで  
 1回100秒を18回(歩く時間はトータル30分)の3グループに分け、1日の血糖値を計  
 った研究では、30分おきに小分けで歩いたグループの血糖値が最も低くなっています。
  1日の内でも、同じ歩数を歩くなら、血糖値を下げる意味では「小分け」がお得です。
  食事を摂ることで上昇した血糖値を下げる働きをするのが膵臓から分泌されるインス
 リンなのですが、インスリンは余った糖分を脂肪に変えて蓄えるという働きがあるので、
 食後にウォーキングをすれば、糖分の筋肉への取り込みを増やすため、血糖を下げるため  
 のインスリンの分泌が少なくてすみ、結果、脂肪に変えて蓄えるという働きも少なくてす 
 むので、太りづらい体になります。
  血糖値が高い時間を短くため、食後のウォーキングが有効で、目安は食後2時間以内で
 す。


 NHKきょうの健康では、65歳以上なら1日6,000歩で十分な健康利益がもたらされること、歩き過ぎるとひざなどを痛めるリスクが高くなるとしています。
 そして、身体的フレイルの原因である筋肉量低下に対応するため筋肉トレーニングと併せて行う事を推奨しています。


 ウォーキングには、様々な研究結果から色々なご意見があるので、どれが一番自分にあった歩き方かを認識することが大切ですね。
 免疫力アップ、太りにくい体、筋力UPのいずれも大切ですが、下り坂ばかり歩いたり、毎食後歩くのはいささか無理ですが、意識しておきたい点ですね。


 ウォーキングは、有酸素運動なので、筋力増強は期待していませんでしたが、心拍を上げる程度の早歩きと通常ペースの歩きを数分間ずつ交互に繰り返すインターバル速歩が有効とのことを知り、今はそれを続けたいと思っています。


寒緋桜