終活事始め

最大の終活は、健康寿命をいかに長く維持し、周りに負担・迷惑をかけない取り組みをすることだと思います。

「座りすぎ」について

 PRESIDENTの記事、早稲田大学スポーツ科学学術院教授の岡浩一郎先生の「「座り過ぎ」が根本原因!寿命も」延びる「小さな習慣」ガイド」は参考になりました。


 座り過ぎは良くないとは漠然と知っていましたが、デスクワーク生活を退職した今でも、こうやってパソコンに向かっていたり、本や雑誌を座って読んだり、ウォーキングの時間以外は、食事やお茶などほとんど座った生活を続けています。


 座っている中には、デスクワークや商談・会議はもちろん車を運転しているとか、テレビを見ている、読書など物を読んでいる、スマホをいじっているなども含まれるようですが、日本人の成人が平日1日に座っている時間の中央値が約7時間で、世界20か国と比べて最長なのでそうです。
 ちなみに日本とサウジアラビアが7時間、アメリカや中国は4時間なのだとか。


 睡眠時間を8時間と仮定して、座位が7時間なら、残りは9時間なので、随分長い、逆に言えば、座っている時間は思ったより短いのですが、世界最長とは驚きです。


 余談はさておき、座り過ぎは、心血管疾患(狭心症や心筋梗塞)、脳卒中、糖尿病、さらにはがんの罹患リスクを高め、寿命をも縮めるというデータがあるのだそうです。


 座った状態では、上半身の重みは腰に、頭の重みは首にのっており、腰や首、肩に負担がかかっているのは実感できますが、太ももの付け根である鼠径部への影響は実感できません。
 ところが、鼠径部には、胴体と下半身を結ぶ、動脈・静脈・リンパ管・神経などが通っていているので、これらが圧迫されています。
 血管は体中に酸素や栄養を行き届かせ、老廃物を回収していますし、リンパは老廃物や余分な水分、細菌やウイルスなどの異物を取り込んで処理していますので、流れが制限されるとこうした機能が低下してしまっているのです。


 これは、座り方の問題ではなく、どのような座り方でも同じだそうです。
 スタンディングデスクやモニターの高さを調節できるシットスタンド・ワークステーションなど導入され始めていますが、座っている時間が、1時間減ると、腰や首、肩の痛みが改善し、疲労感が緩和されることが示されているようです。


 ただし、立っていればいいというもいのではなく、「座ったまま」「立ったまま」の長時間同じ姿勢でいることが健康にとって一番良くないのだとか。
 「座っている時間」が「立っている時間」に比べてあまりに長すぎるのだそうです。


 座り過ぎの問題は、同じ姿勢でいることで骨や筋肉に長時間無理な力がかかったり、血液の巡りが悪くなったりすることなので、1日30分歩いたり、週1回数時間トレーニングしたりして解消されるものではないとのことです。


 先生は、30分に1回、立ち上がるルーティーンをつくることを推奨されています。
 さらに、お茶入れなどで少し動くとさらに効果は高まるのだとか。


 何事につけ、30分に1回は厳しいですが、座ったまま、つま先やかかとを上げ下げしたり、ふくらはぎを揉んだり、足を前方に伸ばすだけでも少しはいいようで、両手を組んだ頭上に引き上げたり、首曲げストレッチで、首、肩の筋肉の凝りをほぐすことを推奨されています。