終活事始め

最大の終活は、健康寿命をいかに長く維持し、周りに負担・迷惑をかけない取り組みをすることだと思います。

逆流性食道炎

 私は、春に大腸内視鏡、秋に胃部内視鏡を受けることにしています。
 (大腸内視鏡受診のことについては、今年の4月14日に投稿しています。)


 今回の胃部内視鏡では、びらん性胃炎はいつも通りなのですが、すこし症状が進んでいるようで、検体を採取して生検に回されました。
 結果は、何かあれば連絡するけれど、無ければ次回の通常受診時に説明ということなので、2か月後のため、先生も余り心配はしていないようです。


 そしてもう一つ、これもいつも通りなのですが、逆流性食道炎があって、かなり進んでいるようです。
 写真を見ましたが、かなり荒れている感じがします。
 先生は、具体的な症状が出ていないなら、投薬はまだいいでしょうということでした。
 ただ、気が弱いせいか、写真を見た途端に、そういえば胸やけがするとか、喉にヒリヒリする違和感があるなど気になり始めました。


 今まで逆流性食道炎だといわれても、写真ではあまり変化は感じず、症状も無かったため、全く気にしていなかったのですが、急に気になり始めて、「逆流性食道炎 自力でよくなる!」という本を買って読みました。


 逆流性食道炎は、胃酸を含む胃液など胃の内容物が、食道に逆流することによって、食道が傷つき、炎症が生じる病気です。
 近年は、3人に1人がかかっており、高齢者の増加が目立っているのだとか。


 胃では、強酸性の胃酸(塩酸)と消化酵素を含む胃液が分泌されていますが、胃粘膜ではアルカリ性の粘液も分泌されているため、通常では胃壁が炎症を起こすことはないのですが、食道では、胃酸から身を守るためのアルカリ性粘液など防御機能が備わっていないので、胃液が逆流すると炎症を起こすことになってしまうのです。


 逆流性食道炎の症状が起こりやすいタイミングは、食後と就寝中です。


 逆流性食道炎になりやすいのは、食道と胃の境目である「噴門」近くの筋肉である下部食道括約筋のゆるみです。
 その他、高脂肪食、アルコール、辛い食品などの刺激物、カフェインなどの多摂取や、不規則な食事などで空腹時間が長かったり早食いなどで胃酸の分泌を促進してしまうことや、ストレスが多いと自律神経が乱れ、食道の粘膜が敏感になってしまうことによります。


 最大の原因である下部食道括約筋のゆるみに着目してみると、下部食道括約筋は通常なら食べ物を通すとき以外はしっかり閉じていて、胃からの逆流を防いでくれるのですが、加齢によってゆるみやすくなってしまうことに加え、猫背など前かがみで姿勢が悪いと、胃に腹圧がかかってしまい、胃を持ち上げた状態にして胃酸も押し上げ、それが噴門部に圧力をかけ押し広げ、逆流を起こしてしまうのです。
 下部食道括約筋のゆるみやすい高齢者は、猫背などの姿勢の悪さに注意をしなければなりません。


 正しい姿勢とは、壁を背にして、顎を引いて立ち、後頭部、肩甲骨、お尻、かかとの4点が全て壁についている状態です。
 できていないなら、1日1分、この姿勢をとることで、修正が図られるのだそうです。
 普段歩くときも、この正しい姿勢を意識して、頭のてっぺんから糸で吊り下げられているようなイメージで、体を前にも後ろにも傾かないように保って歩けば効果大なのだとか。


 さらには、体の深部で姿勢を支える「体幹」や「足腰」の強化も必須で、「片足立ち」と、「つかまりひざ曲げ」を推奨されています。
 片足立ちは、正しい姿勢から、片足の膝を90度に曲げて前に上げ30秒キープするもので、両足それぞれで2セット、1日3回行います。
 つかまりひざ曲げは、スクワットで、7~8秒かけ腰を落とし、7~8秒かけ元に戻します。4回を1セットとして1分のスクワットを2セット、朝晩行います。


 横隔膜の強化は、下部食道括約筋のゆるみを改善でき、誤嚥性肺炎のリスクも減らすとして、胸郭を開いて腹式呼吸を行う「横隔膜体操」や「胸広げ体操」、「横隔膜上下ストレッチ」などが紹介されていますが、基本は腹式呼吸です。


 食後3時間と就寝中は逆流多発の魔の時間帯なので、食後は胸を張って深呼吸、就寝中は上半身を15度起こすのが理想としています。
 食後、体を横にすると、食道が胃より低い位置にくるため、胃酸が逆流しやすくなるので、食後2~3時間は横になるのは厳禁です。
 就寝中も胃酸が逆流しやすくなるので、上半身を10~15度起こすのが良いし、横向きの場合は左側を下にするのが良いのだそうです。
 胃は、体の左から右に膨らんでいるので、左側を下にして寝ると、その膨らみの大弯(だいわん)が下になるので、胃酸の逆流が起こりにくくなるからです。


 胃酸逆流が起こったときの緊急対処法は、コップ1杯の水を一気に飲めば、胃酸が流され、胸やけも改善するようです。


 逆流性食道炎は、胃や腸の障害など消化器系の症状だけでなく、声のかすれや喘息症状、慢性的な咳、耳の痛みなど食道には関係なさそうな症状も引き起こすのだそうです。
 私は、声のかすれだけでなく、咳喘息症状もあるのですが、これですかね。
 薬に頼らず、改善すればありがたいのですが…。