墓と葬儀社について
墓とか葬儀社については、終活では最終段階に位置するものですが、この不安定な時代、いつ不慮の事故、急な病で死に直面するかもしれないので、その選定を真っ先の措置としました。
私の亡くなった父も終活に熱心な人でした。
それは、残された者に負担をかけないという思いからだったと思います。
故郷を離れ、入る墓がないので、早くから高尾に霊園を購入し、墓石まで建て、地元の寺に通って戒名を得ることまでしていました。
しかしながら、孫が全員女の子であり継承者ができなかったためか墓は諦め、永代供養つきの室内墓を新たに購入しました。
しかも、その寺には葬儀専門スタッフが常駐し、システマティックな葬儀が組まれて遺族の負担を大いに軽減するものになっていました。
亡くなった日も17時に閉門するため、通夜などはなく、家族は帰されたのには驚きましたが、結果、“寝ずの番”とか私が悪習と思っていたことも避けられました。
死体と別れを惜しむくらいなら、生きているうちに惜しめというのが持論です。
そのような教訓から、自分も当然承継者がいないので、同じようなシステムの墓と葬儀社の選択をできるところを探しました。
見たこともない葬儀社が来て、どのような葬儀をするのか、急に言われても困りますし、墓探しも大変ですよね。
葬儀社については、テレビ等で盛んに宣伝している「〇〇の葬儀」というのは、直営ではなく、地元の業者が対応するので、クオリティーはまちまちのようですし、設定のレベルも当然リーズナブル?なもので、含まれていないものもあり、何かオプションしたいと思えばその業者さんと直接交渉しなければならないので、あまりメリットは感じませんでした。
最初に墓を見に行ったのは、60歳になった時でした。
自宅の近所に条件に一致する寺があり、以前から候補としていました。
妻と伺ったのですが、ご対応いただいたお寺の奥様に「まだお若いし、のちのち考えが変わるかもしれないから、早いのではないか」「最期くらい家族に負担をかけてもいいのではないか」と言われたというか諭され、その時の購入は見送りました。
完全にリタイアした66歳のとき、考えが変わっていなかったので、前回伺ったお寺に再度照会したところ、完売となってしまっていることには焦りました。
そこで、改めて墓探しを始めました。
条件は、宗派にはこだわらない。墓については、なるべく自宅に近い永代供養つきの室内墓で、葬儀専門スタッフが常駐し、システマティックな葬儀が組まれていること。
葬儀については、親族のみの一日葬とすること。でした。
その考え方は、「通夜・葬儀で、あれやこれやと一番大変なのは残された遺族になっているということについてはかねてから疑義があり、また、現役を退き、交友関係も希薄になってきていることから、親族葬とする。通夜については、その意義について様々ないわれがあるが、そのいわれのいずれも 形骸化しているところ、特に限られた参列者による親族葬の場合、通夜と葬儀と同じようなことを二度行うことについても得心できないことから、葬儀のみの一日葬とする。」というものでした。
また、ある寺で、葬儀社による「お寺葬」の講演を伺い、お寺での葬儀に魅力を感じるようになりました。
いくつか見ましたが、システマティックな葬儀が組まれていなかったり、バリアフリーでなかったり、一日葬に否定的だったり、交通の便に難があったり、お寺葬なのに葬儀の場所が併設する幼稚園の講堂だったり一長一短でしたが、なんとか納得できる墓苑が見つかりました。
そして、法名(戒名)もいただきました。
墓苑の方立ち合いで、葬儀社にお引き合わせいただき、いろいろとお話を伺いながら、私と妻の葬儀について内容を固め、見積もいただきました。
次のものは、この時決定した内容を、メモにして葬儀社に渡したものの抜粋になります。
このことは、子供達にも残しますが、墓苑と葬儀社の方でも保管されるとのことです。
これで、葬儀関係のことは一安心です。
葬儀(通夜)について故人の意向(抜粋) 葬儀社提示用
1 葬儀(通夜)については、親族葬で、葬儀のみの一日葬とする。
会葬者は〇〇名で、火葬場までは〇〇人である。
2 葬儀に当たって
① 自宅以外での死亡の場合、自宅に戻らず、□□寺霊安室に直送とする。
② 葬儀の日程は、□□寺及び火葬場の都合により最速の日とする。
仮に、子供達であっても不都合があれば参列は要しないこととしている。
③ 葬儀は、□□寺副本堂とする。
④ 供花、香典、供物は全て辞退する。
「喪主」、「子供一同」等の生花も不要。
この旨、親族あて連絡時に周知徹底する。
⑤ 葬儀会場に受付は設けないこととし、返礼品も行わないこととする。
3 葬儀プランについて
① 「△△の葬儀」の「一日葬プラン」をベースとする。
② 遺影は、別添とする。
③ ①をベースとして、それを変更するもの。
・生花祭壇の花の量は、「△△の葬儀」パンフレット表紙のボリュウム感のものと
する(生花の色は、パンフレット通り白色で統一する。)。
・霊柩車は、▲▲とする。
・骨壺(7寸)は、火葬場で購入できる青磁のものとする(遺骨の入れ替えは絶対にし
ない。)。
・仏衣一式については、化学繊維のものであるならば綿のものに変更する。
納棺時、頭につける天冠(三角の布)、手甲、脚絆、草鞋は直接身に着けない。
・遺体に触れられることは最小限としたいので、霊安室までは、死亡時の服(パジャマ
など)のままで、搬送されることとしており、湯灌なども不要である。
・メイクは、依頼するが、本人らしく過度にならない自然なメイクとしたい。
・受付は、設けない。返礼品はなしとする(会葬礼状は依頼する。)。
・メモリアルコーナーは、設けない。
・火葬場への往復のマイクロバスは依頼する。
4 火葬場について
① 火葬場は、町屋又は四ツ木とする。
・死後最速日程で火葬することを最優先する。
② 施設
・火葬料金は、「▽▽室」とする。
・火葬場休憩室は、個室で「▼▼の間」など人数相当とする。
5 会食について
① 陵苑の客殿を利用する。
② 料理は、◇◇の「◆◆」とし、メニュー変更の場合はそれ相当のものとする。
6 その他
① その他形式的なことは行わないことを基本とする。
② 出棺時及び会食前の喪主の挨拶は行わない。
・その際の挨拶に代わるものを喪主にメモとして残す。
③ 霊柩車・寝台車運転手、配膳の女中さんへの心付けは葬儀社に立て替えをお願いす
る。
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