終活事始め

最大の終活は、健康寿命をいかに長く維持し、周りに負担・迷惑をかけない取り組みをすることだと思います。

「がんの壁」を読んで【終活】

 がん専門医・外科医の佐藤典宏先生の「がんの壁」を読みました。
 第4章「終活の壁」において、終活では、遺品整理や財産相続の手配など、亡くなった後のことを記しておくことはもちろんですが、もっとも重要なのは、どうやって死ぬか(どう逝くか)を決めておくことと説かれています。


 そして、終活で決めておくべき5つのことをあげられています。
   それは、最後の医療として、自分で決めておきたい項目です。
  ① 最後を迎える場所
  ② 自力で食べることができなくなった場合の措置
  ③ 輸血
  ④ 昇圧剤・強心剤
  ⑤ 延命措置・心肺蘇生
 この5項目について具体的内容も示されています。


 既に書いた、胃ろうや人口呼吸器などの内容と重複する部分がありますが、「終末期に臨んで」として、次のように整理ができました。


【終末期に臨んで】
・前書き部分省略
・現在最も気にかかり恐れ避けたいことは、死ぬことではなく、老いさらばえて家族に犠牲 
 を強いて晩節を汚すことである。


1 最期を迎える場所について
・今後、ガン、脳卒中や心筋梗塞等での療養や老化の進行わけても認知症とならないよう生  
 活習慣の改善や日々に運動に務めるつもりであるが、不幸にしてそのような状態になった 
 場合、入院、リハビリ専門病院などを経てその先にある介護施設入居か自宅で生活するか 
 の問題となった場合や単に高齢により、運動機能・認知機能に障害が発生した場合におい 
 て、家族にかける負担は僅かで、ケース―ワーカー等の支援を得て自宅での生活が可能な
 らば、自宅で終末を迎えることが希望である。
・施設入居は、そのルールに合わせて生活せざるを得ず、自由度が低く、食べたいものを
 食べる、飲みたい酒を飲む、自由に外出できないとういことだけでなく、施設側の制約
 から受けるストレスは計り知れない。
・しかしながら、自宅で過ごすことが家族の負担となることになれば、最も避けたいことで 
 あるので、病院への入院や施設への入居を忌避するものではない。
・すべての判断基準は、家族に負担をかけたくないということに尽きる。
・幸いにして自宅で終末期を迎えられている場合において、異変が起きても救急車を呼ぶこ
 とはしないで欲しい。訪問介護の方に伝えて、その際の手順を確認しておいて欲しい。
・最期を迎える場所が自宅以外であった場合、遺体を自宅に戻す必要はない。
 これについては、別途「葬儀(通夜)について」に記載。
 葬儀社には、「自宅以外での死亡の場合、自宅に戻らず、〇〇寺霊安室に直送とする。」ことを伝えてある。


2 自力で食べることができなくなった場合及び排便の処置について
・「だんだん元気がなくなり、だんだん食事がとれなくなり、だんだん歩けなくなり、寝
 ている時間が長くなる。そのうち水も飲まなくなり、トイレにも行かなくなる。そして、 
 深い眠りに入って、意識がなくなると、ついには呼吸が弱くなり、とうとう呼吸が止ま 
 る。それと同時に、心臓が止まる。」というような飛行機が穏やかにソフトランディング
 するように死にたい。
・無理して食事や水分を摂らせないことはもとより、胃ろうによる強制栄養、点滴などの人
 工栄養は行わないで欲しい。
 胃ろう及び点滴での人工栄養は、脳卒中後の嚥下障害等で行われる「救命治療的なもの」(意識が回復し自立した生命予後が見込まれる場合)以外は一切拒否する。
・飲み込む力が弱くなったり、食べたくないような時は、無理やり飲ませたり、食べさせた
 りしないでもらいたい。「しっかり栄養をとらないと」長持ちしないとしてもそれでよ 
 い。死は目前にあり、そのまま静かにソフトランディングさせて欲しい。
・「亡くなる前日までトイレに歩くこと」「シモの世話にならないこと」を目標にしてい
 る。
 大便も小便もおむつではなく、強制的に歩かせてでもトイレに連れて行って座わらせても
 らいたい。
・寝たきりになって、腹圧か弱くなり、大便が自力でできなくなっても、下剤は避け、便を
 柔らかくする緩下剤でのコントロール、排便補助の座薬を使ってもらいたい。


3 終末期医療及び延命治療について
・病院等(介護施設含む)において医療行為で「生きさせられる」ことは本意ではなく、治
 療をやめて人生を自然に終わらせたい。
 体力の限界まで「生きさせられる」治療は受けたくない。
・延命治療は、自立への回復の見込みがなく、単に医療行為によって生命活動を引き延ばす
 ことと理解しているので、絶対に避けることが意向である。
・本人が死を受け入れた場合、家族もその意向を尊重して受け入れてもらいたい。
・延命治療等は拒否するが、「痛みの軽減」だけはお願いしたい。
 がん等で初期の痛みが軽い段階の時から医療用麻酔による痛みのコントロールを行えば、
 終末期に強い痛みに苦しむことは避けられるとのことなので、お願いしたい。
・終末期のがんなど耐えがたい痛みや呼吸困難の苦しみに襲われたとき、薬を使って意図的
 に意識を落とすことで苦痛を緩和する医療行為である「セデーション」は是非お願いした
 い。
・人口呼吸器・心肺蘇生について
 心肺停止状態で胸骨圧迫や人口呼吸器を使用する延命治療は拒否する。
 人工呼吸器は、脳出血や事故などで一刻を争うという場合にあっても救命治療中の装着及 
 び意識が回復し自立した生命予後が見込まれる場合以外の装着は拒否する。
 上記の回復し自立した生命予後が見込まれる場合や、慢性閉塞性肺疾患などにあっても
 装着する人口呼吸器は、鼻カニューラ及びマスク式人口呼吸器に留めてもらいたい。
・輸血について
 消化管のがんの進行などでの出血による貧血、ショック状態にあっての輸血は一過性のも
 のであるので、このような一過性の輸血は拒否する。
・昇圧剤及び強心剤の使用について
 一時的な延命効果しかないので使用は拒否する。
・がんの進行等による“むくみ”での静脈血栓の治療は高リスクで効率が悪いとのことなので
 拒否する。
・利尿剤も尿量が増えたことにより脱水となり、水分摂取量が増えるので効果なく、尿量が
 増え睡眠を妨げたり、食事量が減るなど、身体を弱らせるので服用は拒否する。
・「がん性腹水」は苦しいので、抜いて体力が落ちても良いので、抜いて欲しい。