終活事始め

最大の終活は、健康寿命をいかに長く維持し、周りに負担・迷惑をかけない取り組みをすることだと思います。

人工呼吸器について

 「延命治療」は、自立への回復の見込みがなく、単に医療行為によって生命活動を引き延ばすことと理解しており、心肺停止状態で胸骨圧迫や人口呼吸器を使用することについては拒否したいと考えています。


 人生を自然に終わらせたいので、過大・不必要な医療は避けたいのですが、「人生を自然に終わらせる」とか「延命治療」の「自立への回復の見込みがなく、単に医療行為によって生命活動を引き延ばすことと」についての具体的状況について示せる能力は、今の私は持ち合わせません。


 既に否定的ではありますが、がん放置療法についての著者である近藤先生の示された「リビングウィル」(いっさい延命治療をしないでください)の記載には、意識を失ったままでいるか、意識があっても意思を伝えられない状態下にあって、「人工呼吸器はつけない。あるいは取り外す」とあるのですが、医師はこの表現で患者の意向に沿った判断・処置をしてくれるものか、特に“取り外す”ことについては、その実効性に疑問です。


 脳出血や事故などにあって、心肺停止状態に至ってなくとも、どこまで人工呼吸器をつけるのか、知識が及ばず考えがまとまっていません。


 延命治療でなくとも、私は咳喘息があるため、症状が出るような場合は薬の処方を受けていますが、咳・痰は常のことなので、死期はどのような状態か不明ですが、何の疾患であったとしても気管に痰をからませて死ぬのではないかと思っているので、どこまで痰を除去できるのか、人口呼吸器はつけるべきなのか悩ましいところでした。


 今回、NHKきょうの健康8月号において、痛切に感じたのは、知識が無い中で迷っていることの徒労さで、まさに「下手な考え休むに似たり」です。


 人口呼吸器は、人工的に呼吸をサポートする医療機器で、新型コロナウイルス感染症などの病気や事故など多くの場面で使われています。
 高齢化に伴い、誤嚥性肺炎などの肺炎、慢性の閉塞性肺疾患、肺がんなどでの人工呼吸器の必要性が高まっていますが、人工呼吸器には、在宅で継続的に使用する場合と、入院中に一時的に使用する場合があり、4つの種類があります。1から4に進む段階で重症度が高まります。


1 鼻カニューラ
  酸素を送る細く柔らかい管を酸素ボンベ(外出時)や酸素濃縮器(自宅内)に接続し、
   2つある突起を鼻に入れ、酸素を吸入する。
  呼吸をサポートする初期段階で使用するもので、慢性閉塞性肺疾患、間質性肺炎、肺
 がんの進行期などが対象。
  鼻カニューラで酸素を補うと、息切れしにくく、心臓の負担が軽減して、快適に過ご
 せるようになる。
  会話、食事、入浴に支障はなく、ボンベを持ち運ぶことで外出も可能。


2 マスク式人口呼吸器
  顔にマスクを密着させ、ベルトで固定する。マスクには、鼻だけ、口と鼻、顔全体の
 3タイプがある。管を人工呼吸器に繋ぎ、酸素を含む空気を自動的に肺に送り込む。
  肺から酸素を十分取り入れられず、二酸化炭素を肺から十分に吐き出せない場合に使
 うほか、慢性閉塞性肺疾患の進行した場合や筋委縮性側索硬化症で使用することもある。
  マスクを外せば会話も可能で、外出先での使用も可能になってきている。


3 気管挿入
  管を口や鼻から喉の中ほどまで挿入して、先端のバルーンを膨らませて気道に固定し、
 管を人工呼吸器に接続する。苦痛を抑えるため、鎮痛薬や鎮静剤を併用する。
  命に関わる呼吸不全や2のマスク式人口呼吸器使用患者の症状悪化の場合などに行わ
 れる。
  声帯より奥に管を入れるため、使用中は会話と食事はできない。
  唾液が肺に入って肺炎が起きるリスクがあるため、長期ではなく、2~4週間が目途。
  呼吸機能が回復すれば、1や2への移行や呼吸器を外すこともできる。


4 気管切開
  首の中ほどを小さく切開して専用の管を挿入し、バルーンを膨らませて固定する。こ
 の管を人工呼吸器に接続する。苦痛が少なく、長期間の使用が可能。呼吸機能が回復す
 れば人口呼吸器を外し、切開部分を閉じることが可能になることもある。
  気管挿入の間に呼吸機能が回復しない場合に勧められる。
  長期にわたって、安定した呼吸のサポートが受けられ、飲み込みに支障がなければ普
 通の食事がとれるし、切開部を湯につけなければ入浴も可能。
  ただし、基本的に会話ができないが、管を抜くことができれば、可能となる。


 この4つの紹介のあとに、「選択は本人の希望が最優先」として、「脳出血や事故などで一刻を争う場合には、救命のため医師の判断で人口呼吸器を取り付けることがあります。しかし、徐々に呼吸機能が低下していく慢性疾患の場合、優先されるのは本人の希望です。納得したうえで選択することが望ましく、家族と考え方を共有しておくとよいでしょう。」とあり、幾分スッキリしました。


 私は、現段階ではエンディングノートの当該部分を胃ろう同様、書き直そうと思います。
 「心肺停止状態で胸骨圧迫や人口呼吸器を使用する延命治療は拒否します。
  脳出血や事故などで一刻を争うという場合にあっても救命治療中の装着及び意識が回復
 し自立した生命予後が見込まれる場合以外の装着は拒否します。
  上記の回復し自立した生命予後が見込まれる場合や、慢性閉塞性肺疾患などにあっても  
 装着する人口呼吸器は、鼻カニューラ及びマスク式人口呼吸器に留めて下さい。」