終活事始め

最大の終活は、健康寿命をいかに長く維持し、周りに負担・迷惑をかけない取り組みをすることだと思います。

歯周病について

 さらに引き続きですが、歯周病についても触れなければなりませんね。
 丁度、NHKきょうの健康8月号で、「まさか私が!?歯周病」を取り上げています。


 驚いたのは、歯周病は糖尿病と深い関係があるということです!
 そして、糖尿病だけでなく、脳梗塞、心臓病、誤嚥性肺炎、慢性腎臓病、関節リュウマチ、早産・低体重出産との関連もあること、さらには動物実験の段階ですがアルツハイマー型認知症にも関連するという報告があるというので、歯周病は恐怖でしかないですね。


 この様々な病気との関連は、歯周病菌や、歯周病菌で生じた炎症に反応して分泌されるサイトカインというたんぱく質が歯周ポケット内の毛細血管から血液中に入り、全身を巡ることで影響を与えるからと考えられています。
 特に、糖尿病では、サイトカインが血糖値を下げるインスリンの働きを抑制してしまうので、血糖値が高い状態になる→免疫の働きが低下する→歯周病菌が増殖する→炎症が起こりやすい状態となるという負の連鎖が起こるとのことです。


 改めて、歯周病についてですが、歯周病は、歯そのものではなく、歯の周囲の組織に問題が生じるもので、症状の進行段階により、歯肉炎と歯周炎に分かれます。


 歯周病は、口内にある細菌である歯周病菌が作り出すプラークにより引き起こされます。


 プラークとは、歯の表面や歯と歯の間に付着したネバネバした水に溶けにくい物質で、多くの細菌の温床になります。
 基本的には正しい歯磨きで発生を防げますが、磨き残しなどがあるとたまっていき、2週間ほどたつと「歯石」という石のように硬い塊りに変化します。
 歯石の中では、歯周病菌が増殖しながら毒素を排出し、この毒素によって引き起こされる歯茎の炎症が歯肉炎です。


 歯肉炎が進行すると、歯と歯茎の隙間に「歯周ポケット」と呼ばれる溝が生じ、その歯周ポケットに歯周病菌が入り込むと、歯を支えている歯槽骨という顎の骨に炎症が起こり、さらに進行すると歯槽骨を溶かしてしまい、この段階が歯周炎で、重症化すると歯槽骨が歯を支えられなくなり、歯がグラグラするようになって抜けてしまうこともあります。


 怖いですね!
 特に、たばこを吸う、歯ぎしりをする、甘いものが好き、義歯が合っていないなどが歯周病になりやすいそうで、それらに配意する他、予防にの基本はプラークコントロールです。
 要は、セルフケアで、歯ブラシやデンタルフロスを用いて、歯の表面や歯と歯の間についたプラークをできるだけ取り除き、口腔内の環境を整えることです。
 マウスウォッシュは、口腔内の細菌を除去するので、プラーク表面の細菌除去には効果がありますが、歯周ポケットの奥に入り込んだ歯周病菌には届きにくいので、ブラッシングやフロスは不可欠のようです。
 そして、定期的な歯科健診が推奨されています。


 噛む噛むから始まった話なので、ガムを噛むことですが、歯周病予防にも繋がります。
 直接的に効果を上げたい場合、キシリトール濃度の高いガムがお勧めです。
 キシリトールとは糖アルコールの一つで、虫歯の原因にならないといわれていますが、歯垢を取りやすくする、殺菌作用がある唾液の分泌を増やすことと併せて歯垢が作られることを防止する効果も認められています。