終活事始め

最大の終活は、健康寿命をいかに長く維持し、周りに負担・迷惑をかけない取り組みをすることだと思います。

番外の番外2 大阪寿司

 昨年は奈良をウォーキングしていたのですが、急に思い立って大阪の四天王寺に回り、その後、新世界、なんばエリアを久しぶりに1人で自由に歩きました。
 この時は、串カツを食べてから大阪寿司でも食べようと考えていました。
 随分前ですが、鯖寿司など大阪寿司の店は随分あったと思っていたので、串カツ同様、下調べもしていなかったのは失敗でした。
 大丸心斎橋店でようやく「すし萬」の大阪寿司の販売を見つけ新幹線の中で食べましたが、思っていたより高級感に満ちて(確かに少しお高めでしたが)、これでは大阪の庶民のものではないなと思い、必ずや近々に庶民の大阪寿司を食べにくるぞと意を決しておりました。


 大阪寿司は、農林水産省の「うちの郷土料理」によれは次のように説明されています。
 大阪で作られる寿司の総称で、押し寿司、巻き寿司、蒸し寿司などがある。
 大阪の寿司の代表格は、飯と具材を重ねてギュッと押し固めて作る押し寿司である。
 その押し寿司のなかでも抜きんでた存在となっているのが「二寸六分の懐石」とも呼ばれる箱寿司。もともと庶民の間で鯖や鯵など大衆魚が用いた押し寿司が親しまれていたが、明治時代に船場の寿司店「吉野寿司」が鯛、えび、あなごなどの高級食材をふんだんに使った箱寿司を考案。コンパクトな箱の中に一口サイズの寿司が色とりどりに並ぶ箱寿司は、芝居見物の幕間弁当や手土産として最適であったため、船場の旦那衆から絶大な支持を受けることとなり、やがてもてなし料理の定番として大阪全域に知られるようになった。
 箱寿司のことを大阪寿司と呼ぶこともある。また、押し寿司や太巻き寿司、伊達巻き寿司など、大阪特有の寿司を盛り合わせにして大阪寿司として提供する場合もある。


 吉野鯗(よしのずし)のHPには、箱寿司について次のように説明されています。
 「活」焼穴子、厚焼き玉子活小鯛、海老など丹念に仕込んだ高級素材をすし飯の上にのせ、椎茸や焼海苔を入れて箱で押して作ります。見た目にも鮮やかな大阪寿司を代表するお寿司です。その美しさから「二寸六分の懐石」とも呼ばれております。すべての材料は一日がかりの仕込みが必要です。握ってすぐ食す江戸前と違い大阪寿司は時間がたっても美味しく召し上がっていただけます。目に楽しく、噛むほどにご飯とネタの旨味が深まるのは、職人の手間暇かけた「仕込み」と「技」の結晶のあらわれといえましょう。


 HPで色々調べたところ、吉野鯗(よしのずし)は高級で私が求める庶民の押し寿司ではなく、さらには店内飲食の営業時間が11:00-13:30で、ゆっくり酒を飲みながら食すという雰囲気でもないのでパスとしました。
 東京では、閉店してしまいましたが、新宿西口小田急エースに50年近く大阪名物「箱寿司」が、テイクアウトですが京樽や古市庵なども結構あって、しかも低廉価格なので、大阪ではなおさらと思っていたのに、なかなか見つかりません。


 結局は、なんばの「あばらや」、天神橋筋商店街の「寿司常」、文の里の「松寿司」に行くことにしましたが、「寿司常」はご縁がありませんでした。


あばらや
さば寿司をメインに置いていますが、押し寿司はそれだけで、握り寿司などもある割烹です。
一般にはさば寿司のさばは、塩をして酢でますが、こちらは酢で〆めずに塩だけだそうです。もちろんしゃりには酢を使っています。
写真は、さば寿司ハーフ(10貫)1,430円です。


松寿司
まさに私が求めていた大阪寿司の店です。
こちらでは、押し寿司、大阪寿司の巻き物である伊達巻や巻き寿司、そして握り寿司などと多彩です。
テイクアウトもありますが、押し寿司より握りの方がでるようです。
写真の上は「押し寿司セット(穴子、海老、小鯛)」1,250円、下が「さばずし」600円です。

 「松寿司」さんは、「松寿しチェーン」15店の中の1店舗なのですが、仕込みに時間と技術を要するため、4店舗しか営業を続けていないとのことです。
 こちらの店もご夫婦二人で営まれているのですが、調理はご主人で、テイクアウトの注文もあり、大変そうでした。


 大阪寿司(押し寿司)を食べられる店は、絶滅危惧種状態です。
 私の記憶にある、どこでも見かける店は「にぎり」にとって代わってしまっていました。
 黒門市場内から始まってあらゆるところに「にぎり」の店はあります。
 大阪寿司は手軽な庶民のものではなく、高級な「箱寿司」しかもテイクアウトとして残っていくのでしょうか?