終活事始め

最大の終活は、健康寿命をいかに長く維持し、周りに負担・迷惑をかけない取り組みをすることだと思います。

人間ドックを受診して(結果と血管について)

 人間ドックの結果が送付されてきました。


 BMIについては、26.4で、既に書いたとおり、和田秀樹先生(太り気味の25~29.9)や西剛志先生(肥満度Ⅰの25~26.9)がおっしゃる最も長生きのグループに入っていますので、医師の指導には反しますが数値はこれを保ちたいと思います。


 血圧を始めとして様々な医療機関を受診していますので、「主治医の指示に従って治療を継続してください。」という所見で判定区分Gが多くなっています。
 腹部エコーでは、胆のう腺筋腫症、胆のう結石、肝臓石灰化巣、大動脈石灰化巣などの文言が並び要経過観察となっていますが、これは例年のことで、かかりつけ医によれば心配はいらないとのことです。


 ただし、動脈硬化が少し進んでいるようです。
 頚部の動脈に超音波をあてる頸動脈超音波診断で、昨年の値を上回ってしまいました。
 頸動脈超音波診断は、動脈の内中膜壁厚の測定とプラークの存在により、動脈硬化の程度を判定するものです。


 まず、動脈の内中膜壁厚ですが、血管は内側から内膜、中膜、外膜の3層に分かれていて、内膜と中膜を合わせた厚さの平均値で、0.79mm以下が正常値、1mm以上は肥厚となります。
 左は昨年から1mm超えでありましたが今回も同じ数値であったものの、右が0.1mm厚くなって1mmを超えてしまいました。
 左右とも1mm超えで「総頸動脈壁厚肥厚」との結果です。


 次に、プラークですが、これは不要物が血管壁に溜まって形成された隆起物で、動脈硬化進行の重要な指標となるものですが、昨年同様右側にプラークが認められ「右総頸動脈プラーク」との結果です。


 血管について、テレビでおなじみの池谷敏郎先生と根来秀行先生の著作を読んでみました。


 血管は、動脈、静脈、毛細血管の三種類があり、全てを繋ぐと10万kmにおよび、これは地球2周半に相当しますが、動脈と静脈は、血管全体の1%に過ぎず、99%は髪の毛の1/10程度の毛細血管です。
 言うまでもなく。血管には血液が流れ37兆個ともいわれる細胞の一つ一つに栄養と酸素を届けるとともに酸化物質や老廃物などを回収しています。
 ですから、血管はしなやかで弾力性にとみ、血管の内側もなめらかで、血液がスムーズに流れなくてはならないのですが、血管が老いてくると、血管そのものが硬く、厚くなり、内側にプラークと呼ばれる瘤ができて狭くなり、動脈硬化となっていきます。
 この動脈硬化が、心臓を養う冠動脈で起これば、心筋梗塞、狭心症を、脳の血管で起これば、脳梗塞、脳出血、くも膜下出血、そして脳血管性認知症を発症させます。


 動脈硬化の原因は、加齢だけではなく、高血圧、高血糖、脂質代謝異常などの要因により、血管の内側が傷つけられることから始まります。
 そして、前述のプラークができるのですが、このプラークはもろく、血管の収縮などの刺激をきっかけに一部が壊れることがあり、それを修復しようと血小板が集まり、血液の塊りである血栓ができ、この血栓が大きくなって血管を塞いだり、血液に乗って運ばれた先で動脈をつまらせることにより脳梗塞や心筋梗塞を引き起こすのです。


 ただ、血管には、回復力が備わっていて、いったん「硬く、狭く、もろくなってしまった血管」でも「しなやかで、詰まりにくく、切れにくい血管」によみがえらせることができます。
 それは、血管内で分泌される「NO=一酸化窒素」で、血管を拡張する、血流をよくする、血圧を下げる、動脈硬化を防ぐなどの働きがあります。
 NOには、血圧をコントロールしたり、血管についた傷の修復を促したりする機能が備わっているのです。


 NOって、排気ガスや不完全燃焼で発生する、あのNOですが、心臓病の治療薬であるニトログリセリンはNOを放出して血管を拡張して、発作の改善に効果をもたらしています。
 もう、NOの分泌を高める努力をしないわけにはいきませんね。


 まず、NOは血管のどこから分泌されているかですが、血管の内壁(流れる血液に触れる面)である「血管内皮細胞」からです。
 「血管内皮細胞」は、血液が血管の外に漏れだすのを防ぎ、異物の侵入をも防ぐバリア機能とともに、このNO分泌機能を有しています。


 では、どうすればNOの分泌を高められるかですが、NOの分泌を高めれば血管が拡張して血流がよくなるの逆で、血流を良くすればNOの分泌も促進されるのです。


 血流をよくすることについては、今までに書いてきた通りですが、先生の提唱される方法をまとめてみます。


有酸素運動(特に通常の歩幅より+5cmのウォーキング)
 動脈を拡張させて血液循環を良くします。
 動脈にとってのリラックスマッサージのようなものです。
 有酸素運動で動かした筋肉で消費された、酸素や栄養素を補うために心拍数を増やしてより多くの血液を全身細胞に送り出しますが、このとき放出される「ブラジキニン」という物質が「血管内皮細胞」を活性化させNOの分泌を促進させます。


ふくらはぎ体操(ウォーキングができない方)
 ふくらはぎは第二の心臓と呼ばれていますが、ふくらはぎの筋肉を収縮させることでポンプの役割をさせ、下半身の動脈や静脈の血流をよくする。
 立った姿勢で、ゆっくりと踵を上げ・下げ、つま先を上げ・下げ
 座った姿勢でも足を水平に伸ばして、同様の動き


手クロス体操
 血流を一時的に止め、その後流すことで、血管を収縮・拡張させることにより、上半身の血流改善に効果的で、肩こりの改善にもつながる。
 拳をギュッと強く握り両腕を抱え込むように胸の前で15秒クロスさせ、握った手を大きくパッと開きながら、両腕を大きく45度下方向に広げる。


1分間正座(=自力加圧トレーニング)
 手クロス体操と同様、血流を一時的に止め、その後流すことで、血管を収縮・拡張させるもの
 足が痺れて、ジンジンしているとき、「血管内皮細胞」からNOの分泌が増えている。


入浴
 38度ほどのぬるめの湯に、みぞおちの下あたりまで10~15分つかる入浴
 42~43度だと末梢血管が収縮して血圧が上がる「驚愕反応」により脳卒中や心筋梗塞を発症する恐れがある。
 浴室と脱衣場の温度差にも要配慮


 冷え性の改善に良いとされるものは、ほとんどが血管を拡張させるので、NO力アップにも効果的です。
 ショウガ、トウガラシ、適量のアルコールなどです。


ストレスは血管事故のもと
 抹消の細い動脈は、自律神経の影響を受けるので、気分の変化が血液循環を左右します。ストレス時は、交感神経が緊張し、抹消の動脈はギュッと締まり血圧が高くなります。
 リラックス時は、副交感神経が優位になり、抹消の血管は緊張が解けて手足の血流は増
加します。
 交換神経の緊張が続くと、血圧がずっと高いので、血管に負担がかかり、傷つきやすく
なるのです。


 血管を強くする栄養素を含んだ食事など、対策はいろいろありますが、最低限、現状は維持したいです。