終活事始め

最大の終活は、健康寿命をいかに長く維持し、周りに負担・迷惑をかけない取り組みをすることだと思います。

人間ドックを受診して(血圧)

 人間ドック受診2週間前に血圧を測ってみると、上は10、下は5mmHg高くなっていました。
 血圧は、降圧剤を飲んでいることもあり、以前は毎日測っていたのですが、昨年末くらいからあまり気にし過ぎても精神安定上良くないと思い、測るのを止めてしまっていました。  でも、さすがに驚きました。


 和田秀樹先生は、血圧や血糖値、コレステロール値を下げる薬は、動脈硬化を防いで心血管障害のリスクを下げる効果はあるが、身体のだるさや活力の低下をもたらし、免疫機能を低下させてしまうとおっしゃっていますが、ご自身血圧が220あり心臓肥大の原因となっていたので、降圧剤を飲んで170位でコントロールしているとのことです。
 そして、昭和20~30年代の栄養状態の悪い頃なら、血圧が160位でも血管が破れることはあったが、栄養状態が改善された今では、動脈瘤が無い限り血圧が200であっても破れることはないともおっしゃっています。


 高血圧は、かつて「年齢+90」ならば問題ないという時代がありましたが、2000年のガイドラインでは140-90、最近では130-85以上が高血圧となっているようです。
 これは、日本の医療体制が、病人がいなくなることを前提とした制度になっていないからと批判される方もいます。


 和田先生は、服薬により生活の質に影響を及ぼすことのデメリットを訴えられていますし、最近では、高血圧薬の服用は意味がないとか、薬・減塩に頼らない血圧の下げ方として生活習慣の改善を訴える方も増えてきているようです。
 私自身生活習慣の改善として、ウォーキング、減塩、肥満解消などに取り組んではいますが、肥満解消の効果がなかなか出ないせいか、血圧も下がることなく、薬が止められる状況にありません。
 降圧剤を飲んでいても、特段、生活の質に変化は感じていないのが幸いですが、ちょっと油断したら、血圧が高くなってしまっていたというのは困ります。


 今回も、ドック前の減塩と節食、そして朝のラジオ体操とウォーキングに励んで、うまく調整ができたと思っていて、135-80でしたが、ドックの医師からは135は高いですねと言われてしまいました。
 先生と議論してもしょうがないので、黙っていましたが、家庭血圧と診療室血圧もありますし、様々なご意見がありますので、今は140-90を下回っていれば良しとすることにしています。


 高血圧の原因は、遺伝的要因と環境的要因とがあって、これとは別に腎臓病など他の病気に起因して起こる二次性高血圧もあります。
 遺伝的要因は、生まれつきの体質で、両親が高血圧だと自分も高血圧になりやすくなるのだそうですが、私にはあまり大きく影響は及ぼしていないと思います。
 環境的要因は、食塩の摂り過ぎ、肥満、運動不足、ストレス、飲酒、喫煙などの生活習慣ですが、これは随分と努力しているつもりなのですがなかなか効果に結び付きません。


 私が高血圧と診断され薬を飲み始めたのは、18年前の50歳の時です。
 当時は、喫煙は止めていましたが、仕事に精一杯で、とても食塩の摂り過ぎ、肥満、運動不足、ストレス、飲酒などの生活習慣は改善できず、60歳までの10年間、降圧剤に頼るだけだった“つけ”がその後の努力を成果に結びつけていないのかもしれません。
 もちろん、意志薄弱であることも否めません。


 今回の人間ドック終了後の食事は、今年度のテーマ「今日から減塩」というものでした。
 献立それぞれのエネルギーと食塩量が記載されていて、この食事の合計は、エネルギー669kcal、炭水化物100.3g、たんぱく質30.0g、食塩相当量3.3g、脂質18.9gでした。
 裏面の説明によると、令和2年国民健康栄養調査による食塩摂取量は、男性11g、女性9gだったのですが、2020年の摂取基準は、男性7.5g、女性6.5gで、高血圧学会は6.0gとなっているとのことです。
 だったら、この食事の食塩相当量3.3gは多すぎますよね!


 また、食塩の摂り過ぎは、高血圧となり、動脈硬化のリスクを上げ、脳梗塞、心筋梗塞、腎不全、閉塞性動脈硬化症に止まらず、胃がん、肥満、骨粗しょう症、飲酒過多という影響を及ぼす恐れがあるとも書いてあります。


 私の食生活の中で、塩分過多と思しきは、汁物と漬物だったと思います。
 朝の味噌汁はmustですし、鍋物の汁、麺類の汁は残さず飲み干していました。
残すのは調理された方に失礼との思いがあったからで、最近は心を鬼にして残すように努めてはいるのですが、まだ残し方が足りてはいないかもしれません。
 漬物も昔から大好きで、毎食欠かせませんでしたし、酒のいいつまみでもありました。
 ぬか漬けは、妻が自分は食べないのに漬けてくれていたのですが昨年から止めました。発酵食品で体にいいと塩分から目を背けていましたが、血圧のために一大決心でした。定食などでも残すようにしました。
 それでも目に見えて血圧に効果があったとは認められません。


 減塩の必要性は、私たちの体には体内の塩分濃度を一定に保つ機能があり、塩分(ナトリウム)摂取過多になると塩分濃度を一定とするため、水分を摂り込み、血液内に摂り込まれた多くの水分により血液量が増えることによって血圧が上昇するためです。
 もちろん、過剰に摂った塩分は尿として排出され、血液中の塩分濃度も薄まって、血圧も自動的に下がりますが、三食毎に塩分を過剰摂取していれば常に水分を摂り込んだ血液が減ることはないですね。
 減塩を謳った人間ドックの昼食一食の食塩相当量3.3gなのですから、摂取基準の男性7.5g、女性6.5gや高血圧学会の6.0gは厳しいですね。