終活事始め

最大の終活は、健康寿命をいかに長く維持し、周りに負担・迷惑をかけない取り組みをすることだと思います。

「笑いがもたらす健康効果」について

 ここのところ、自律神経や免疫力について書いていましたが、3月26日(日)TBSの健康カプセル!ゲンキの時間で「最新研究!笑いがもたらす健康効果」においても笑いと自律神経や免疫力の関係が取り上げられていました。


 副題にあった「笑わない人は死亡率2倍!?」については煽りすぎで、このような根拠のない視聴誘導には好感は持てません。
 そして、驚いたことに、男性の約6割は毎日1回も笑っていないとのことですが、にわかには信じられません。
 本当なら、あまりに悲しすぎますね。


 笑いがもたらす健康効果については、大笑いしている時は、何も考えていない状態になりますが、これが「脳内リセット効果」と言われるもので、笑いは、ストレスや痛みの悪循環を断ち切る作用があるのだそうです。
 ただ、本当に笑っているか作り笑いか脳は区別できないので、作り笑いでも同様の効果があるというのは、これまた驚きです。


 具体的な笑いの健康効果として、次の5つが紹介されていました。
 1 ストレス解消効果
   3分間の漫才を見て、笑った時の自律神経の交感神経と副交感神経の変化を測定し
  たところ、笑う前は交感神経が優位な状態で、笑っている最中は交換神経がさらに優位 
  になりますが、笑い終わると、副交感神経が大きく上昇していました。
   この差がポイントで、これによりストレス解消効果が見込まれるのだそうです。
   よく笑う人は、そうでない人と比べ、笑う前から副交感神経が優位なところ、笑うこ 
  とによって、より副交感神経の値が高くなり、よりリラックスできるとのことです。
   ストレスは、様々な疾患や体調不良を引き起こすことは知られていますが、腰痛、頭
  痛、めまいなどの症状を引き起こしたり、免疫力を低下させ、感染症に罹患しやすくさ 
  せたり、高血圧や糖尿病などの生活習慣病のリスクにもなります。
   このストレスに大きく関係しているのが自立神経で、現代は、緊張状態である交感神
  経が高い状態が続き、自律神経のバランスがとれないことが多くなっていますが、笑う
  ことで副交感神経のスイッチが入り、ストレスの軽減が期待できるとのことです。
   番組では、唾液中のアミラーゼ量の測定もしており、この酵素はストレスが高くな
  ると値が高くなるのですが、漫才を見た後には、その量が1/3まで低下していました。
   ただ、副交感神経が増大しリラックス状態の継続時間やアミラーゼが低下している
  時間の情報はなく、どの程度の効果になるか明確に示されていないことには疑義を感
  じました。


 2 有酸素運動効果
   笑う時は、知らず知らず、下腹部に力を入れて息を短く吐くようになっていて、こ
  れは腹式呼吸と同じ呼吸法で、リラックスできるだけでなく、心肺機能や筋肉も鍛えら
  れているのだそうです。
   これは、ウォーキングなどの有酸素運動をしていれば足りるということでいいのでし
  ょうか?


 3 認知症予防効果
   笑うことによって人付き合いが増え、それによりソーシャルサポートを受けやすく
  なることによって、循環器系の疾患である脳卒中や心筋梗塞が減ることや、がんの予後  
  を良くすることが分かっているのだそうです。
   認知症予防には交流が重要ということは多くの先生方もおっしゃっていることです
  が、笑うこととの因果関係がいまいちだったので、インターネットで調べたところ、大 
  阪府立健康科学センターが行った笑いの頻度と1年後の認知機能との関連についての横
  断・縦断研究の結果では、ほぼ毎日笑う人と笑う機会が無い人の1年後の認知機能を比
  較したところ、認知機能が低下した人の数は3.6倍の差が見られたとのことでした。


4 糖尿病の重症化を予防効果
  笑っているとストレスが解消し、体の中の炎症細胞が減ったり、副交感神経が優位にな
 り血糖値を下げるインスリンの効きがよくなるとのことです。


 5 ウイルスやがん細胞への攻撃力が向上効果
   笑ってストレスが減ることで、自然免疫細胞の一種であるナチュラルキラー細胞(N
  K細胞)が活性化し、ウイルスやがん細胞を攻撃する力が高まるのだそうです。
   以前にも触れましたが、健康な人の体内では、1日に3000~ 5000個のガン細胞が発
  生していますが、人が生まれつき持っている50億個のNK細胞がこれを破壊しているお
  かげで、ガンにおかされずに済んでいます。これがNK活性と呼ばれているものです。


 インターネットで改めて調べてみると、笑いとNK活性についての実験があるようで、笑う前にNK活性の数値が低かった人は、すべて正常範囲までアップし、高かった人の多くも正常近くの数値に下がるということが確認され、笑いには、ガンに対する抵抗力を高め、免疫機能を正常化させるということ、さらに、免疫機能を薬で活性化させるには一定の時間がかかるのに対し、短時間で免疫系を正常化させる生理学的効果(即効性)があるということが分かっているようです。


 そして、免疫力は強ければよいものではなく、リウマチや膠原病など自己免疫疾患と呼ばれる病気は、免疫システムが体に悪い影響のある物質だけでなく自分自身の体まで攻撃することで引き起こされてしまうところ、笑いには、こうした免疫システム全体のバランスを整える効果があることも明らかになっています。
 笑いは、がんやウイルスに対する抵抗力が高まり、同時に免疫異常の改善にも繋がるということのようです。


 笑いがもたらす健康効果についても、自律神経と免疫力に終始することになりますが、自律神経と免疫力を高めるのは、笑いだけではなく、泣いてスッキリすることなども同様の効果が認められていて、話をすること、歌を歌ったり聞いたり、化粧をしたりするなど要は好きなことをして満足感を充足すること、何よりもストレスレスが重要のようですね。


 番組でおもしろかったのが、ストレス解消効果のところで書いた、自律神経の変化を測定のため、3分間の漫才を見せて、笑った人・笑わなかった人のデータをとったのですが、笑わなかった人に、なぜ笑わなかったのかと質問したところ、「おもしろくなかったから」という答えだったことです。
 私も同意見で、全く笑えませんでしたし、笑いが健康効果をもたらすので、これで笑ってと言われても困ってしまいます。
 つまらない漫才を見て笑う人のほうがストレスがあるのではないでしょうか?
 年のせいか、最近のお笑い、そしてお笑い芸人を多用した番組には全く面白味を感じません。
 テレビに出るくらいの方なので、お笑いだけでなく様々な才能・知識があるのだろうとは思いますが、切れキャラから〇〇キャラの全てが、うるさく見苦しいだけで、際物で笑いをとるとか相方を「たたく」、暴力的・危険な行為に至ってはもはや芸ではないと思います。


 レベルがあまりにも違うので比較にはなりませんが、毎年この時期にはCDで五代目柳家小さん師匠の「長屋の花見」を何度も聞いています。噺の内容は全て分かっていても、何度聞いても笑ってしまう、噺の妙・間・奥深さという言葉では足りない噺のうまさがあります。
 六代目三遊亭円生師匠、三代目古今亭志ん朝師匠、十代目柳家小三治師匠しかりです。最近、名人と言われる人が育っていませんね。
 もっとも、立川談志師匠、コント55号、ザ・ドリフタースなどは好きではないので独断と偏見に満ち満ちた、あくまでも個人の趣向のことではありますが、MC、レポーターなどはお笑い芸人ではなく本業の方にもっと頑張ってもらいたいです。