終活事始め

最大の終活は、健康寿命をいかに長く維持し、周りに負担・迷惑をかけない取り組みをすることだと思います。

腸内細菌と腸活について

 前回の「結局、自律神経がすべて解決してくれる」では、腸内環境を整えるため重要な役割を果たしている「腸内細菌」は400~500~1,000種類以上あって、個数で100兆個以上、重さで約1.5~2.0kgにもなるということにまず驚きでした。
 そして、腸は、“第二の脳”で、脳と腸は強く連携していて、自律神経のシステム自体が整うかどうかに、腸の動きがすごく関係しているので、自立神経を効率よく整えるには、「腸を整える」生活習慣が大事だということだったので、腸について、もう少し見てみようと思っていたところ、NHKきょうの健康で「腸活」を取りあげていたのと、消化器専門医の川本徹先生の「結局、腸が9割」を読んだので、まとめてみました。


 腸内細菌の1つの大きさは、約0.3~0.5ミクロン(1ミクロン=0.001mm)です。
1,000種類、100兆個の腸内細菌は、大腸の壁をびっしり覆っていて、この状態がお花畑のように見えるので、腸内フローラといいます。
 腸内細菌は、口から入ってきた食べ物で、胃と小腸で未消化で大腸にたどり着いたカスを餌にして、代謝物を出して分裂し、何度か分裂を繰り返すと死に、便の一部となって対外に出ます。


 私たちの“便”は7~8割が水分で、残りの3~2割の約1/3が最終的に吸収されなかった食べ物の残りかすや食物繊維で、約1/3が腸の内壁の粘膜が剥がれたもの、残りの1/3が腸内細菌の死骸です。
 その1/3の腸内細菌の死骸とは、便100g当たり、6700億個の腸内細菌の死骸になります。


 1,000種類の腸内細菌は、大きく、善玉菌、悪玉菌、日和見菌の3つに分類されます。
理想的なバランスは、善玉菌2、悪玉菌1、日和見菌7です。
 悪玉菌がないと善玉菌の働きが悪くなるので、バランスが大事なようです。


 善玉菌は、ビフィズス菌、乳酸菌、酪酸菌などで、全身の健康の9割を担っています。
 腸の活動を活発にして、消化吸収を助けたり、セロトニンなどの「幸せホルモン」を作りメンタルを安定させたり、食中毒や病原菌への感染を予防したり、発がん性を持つ毒素の生産を抑制したり、腸内にある免疫細胞を活性化させ免疫機能を正常に保つたり、脂肪細胞に脂肪を取り込まないよう働きかけをするなど役割りを果たしています。


 悪玉菌は、ウェルシュ菌やボツリヌス菌が代表で、人間の体に大きな害を及ぼす菌です。
 悪玉菌は、大腸までやってきた肉類の残りカスなどを餌にして、腐敗ガスを発生させたり、発がん性を持つ毒素などを産生させ、これが血管を通って全身に回ることで、高血圧、糖尿病、動脈硬化、大腸がん、アレルギー、うつ、認知症などの症状を引き起こすことが分かっています。


 日和見菌は、大腸菌やバクテロイデスなどで、健康的な時は何もしませんが、体が弱った時に悪い働きをする菌もいます。


 必要な量の善玉菌が腸に中にちゃんといて、元気に餌を食べ、代謝物を出してくれることが重要ですが、腸内環境を整えるには、腸の“ぜん動運動”を促すことも欠かせません。
 腸の“ぜん動運動”は、入って来た食べ物を分解・消化し、吸収し、さらに便を作っていらないものを排出するために欠かせない動きだからです。
 腸の“ぜん動運動”は、私たちの意思とは関係なくおこっており、自律神経がその動きのカギを握っています。


 腸の管は、粘膜と筋肉が幾層に重なって作られていますが、その間を神経のネットが覆っていて、この腸管神経のうちで、交感神経と副交感神経の両方で構成されているものがあり、筋肉の緊張と弛緩を調整し、ぜん動運動をコントロールしているのです。
 腸には、脳に次いで2番目に神経細胞が集中していて、その数1億個もあり、このため、第二の脳とも呼ばれるのです。


 ただ、“ぜん動運動”促進するため、腸に適度な物理的刺激を与えることは効果があります。
 日常の動作では体幹部を動かしたり、伸ばしたりする機会がないので、体の側面や背中側の筋肉をほぐして、血流を促進するような、お腹に刺激を与えるストレッチなどの他、ウォーキング、体操なども良いようですし、日常的家事や行動で動くことも刺激になるようです。


腸内環境を整える食材
 ま 豆、大豆、豆腐、納豆など―イソフラボン、食物繊維、発酵食品
 ご すりごま―オレイン酸やリノール酸は悪玉コレステロールを減少させる
 わ わかめ、のり、ひじき、もずくなど―水溶性食物繊維
 や やさい、特に根菜類―食物繊維
 さ さかな―DHA、EPAは腸内細菌の多様性を高める
 し しいたけ、えのき、しめじなど―食物繊維
 い いも類―食物繊維
 よ ヨーグルト―乳酸菌(自分にあったヨーグルト)
 ぜ 全粒穀物で玄米、雑穀など―食物繊維


 この食材の例には、栄養素表示がなくて、食物繊維が中心ですが、それほど食物繊維は重要です。
 食物繊維は、消化酵素で消化されず、大腸まで届きます。そして、善玉菌の餌になるとともに、残った食物繊維には腸内細菌の死骸がくっついて固まって便になります。
 食物繊維がないと便になりにくいのです。


 ただし、食物繊維は水に溶ける水溶性と溶けない不溶性があり、不溶性ばかり摂取すると便秘を悪化させてしまうので、特に便秘の方は不溶性のものを意識して摂ることが勧められています。


 それと、年をとっても肉を食べることを勧められていますが、消化され切れず大腸までやってきた肉類の残りカスなどのタンパク質は悪玉菌の大好物なので、食べ過ぎには注意が必要ですし、ソーセージやベーコンなどの加工肉や揚げ物は悪玉菌を増殖させて腸内環境を悪化させる恐れがあります。


 便やおならは、本来はそんなに臭いものではないのに、ニオイが気になるのは、すでに腸内で悪玉菌が増えているサインなのだそうです。


 こうして見てみても、私は腸に良いことを結構やっていることが確認されましたが、毎日の酒が課題なのでしょうか?