終活事始め

最大の終活は、健康寿命をいかに長く維持し、周りに負担・迷惑をかけない取り組みをすることだと思います。

免疫力向上について

 前回紹介した長尾和宏先生の「病気の9割は歩くだけで治る!」も少し極端な気がしますが、免疫システム・細胞を高めることに有効ということなら、歩くこと(軽い運動)だけではないでしょうから、インターネットで検索してみました。


 「自然免疫応用技研株式会社」と「医療法人澄心会 豊橋ハートセンター」のHPがわかりやすかったのでまとめてみます。


 免疫とは、体を病気から守ってくれるシステムのことです。
 免疫には「自然免疫」「獲得免疫」の2種類があり、それぞれ働きが異なります。
 自然免疫と獲得免疫は相互に作用しています。
 「免疫」=防衛軍の構成員は白血球です。
 白血球は1種類ではなく、何種類もの細胞で構成されています。


 自然免疫は、人の体に先天的に備わっているもので、体に異物が侵入しようとすると第一に反応し、異物の危険性にかかわらずとにかく攻撃します。
 自然免疫で働くのは、異物を食べて死滅させる「マクロファージ」という細胞や、細菌やウイルスを直接攻撃する「ナチュラルキラー細胞」などです。


 獲得免疫は、自然免疫で防ぎきれなかった細菌やウイルスに対して反応する、第二の壁のようなものです。
 一度侵入した異物を記憶して、次に体内に侵入してきた際に攻撃します。
 病原体と戦いながら、敵の情報を記憶し、同じ病原体の次なる侵入に備える仕組みで、病原体が持つ「抗原」と呼ばれる特有の成分を読み取り、その病原体に合わせていわばオーダーメイドの武器である「抗体」を作ります。
 獲得免疫は自然免疫の働きをサポートする役目もあるため、獲得免疫を高めることが、免疫全体の強化につながります。


 獲得免疫では、以下のような細胞が、それぞれの役目を果たしています。
 ・B細胞:侵入した異物が危険なものであるどうかを判断する
 ・形質細胞:B細胞が成熟したもの。抗体をつくって自然免疫の働きを助ける
 ・ヘルパーT細胞:B細胞とともに、異物が危険なものであるどうかを判断し、攻撃の
  戦略を練る(司令塔のような役割をもつ)
 ・キラーT細胞:ヘルパーT細胞の指示を受け、すでにウイルスに感染してしまった細
  胞を破壊する
 ・制御性T細胞:各細胞の暴走をおさえ、免疫異常を起こさないように調整する
 ・メモリーB細胞:一度侵入した病原体の情報を記憶し、病気にかかりにくい状態をつ
  くる
 免疫力が下がると、風邪やインフルエンザをはじめとするさまざまな病気にかかりやすくなります。高齢者や乳幼児、妊婦さんの病気が重症化しやすいのは、免疫力が低いことが原因です。免疫力をアップさせることが必要です。


獲得免疫を高める方法
1 腸内環境を整える
  免疫細胞の約7割は腸内にいると言われています。口から摂取したものは、消化管を
 通って腸に運ばれますが、その際、良いものも悪いものも一緒くたに運ばれるため、病原  
 体から体を守るために、腸には免疫細胞が多く存在しているのです。
  外敵をブロックするだけではありません。腸の壁の中にはなんと、外敵をわざわざ引き 
 込んで迎え入れる部分があります。免疫細胞に触れさせて攻撃すべき敵の特徴を学習さ
 せ、抗体を作り、次の侵入に備えます。そして、学習を助けるのが腸内細菌であると考え 
 られています。このように、腸管は“獲得免疫”の主要な舞台となっています。
  腸内環境を整えることは、そのまま免疫力アップに繋がるといっても過言ではありませ 
 ん。そのためには、腸を冷やさないこと、自律神経系を整えること、特定の栄養に偏らな  
 いこと、そして規則正しい食事を心がけることです
  腸内環境を理想的な状態に近づけるには、ヨーグルトやチーズなどの発酵食品や、キノ
 コや海藻類などの食物繊維を、毎日の食事で摂取することが大切です。
  また、炭水化物や塩分やタンパク質の摂取を控えめにしたとしても体内環境はがん細胞
 が好む酸性に傾いていきます。酸性に傾いた体内環境を中性に戻し、さらにアルカリ性に 
 まで戻すためには、唯一のアルカリ化食品とも言える野菜や果物を多く摂取するのが最も
 有効です。


2 体温を上げる
  免疫が正常に働くのに理想的な体温は36.5度~37.1度だと言われていますが、近年は、
 平熱がそれ以下だという人も増えています。体温が低いと血液中の白血球のはたらきが弱
 まり、病気にかかりやすくなります。
  体温が1℃下がると、免疫力は30~40%低下すると言われています。
  白血球は血液中を常にパトロールしていて、白血球に含まれるマクロファージという細
 胞が、病原体を攻撃してくれるからです。
  そのため、体温を上げて白血球のはたらきを高めることが、免疫力アップにつながりま
 す。毎日30分程度のウォーキングする、入浴時はかならず湯舟につかる、白湯を飲むなど
 を習慣づけることも大切です。
  適度な活動はからだを温め、免疫が働きやすい環境を作ります。
  ただし、“激しすぎる運動”は逆に免疫力の低下をもたらすことには注意が必要です。


3 ストレス解消
  精神的ストレスは免疫の大敵!十分な休養と睡眠がカギです。
  過剰なストレスによって自律神経が乱れると、白血球のはたらきが弱まり、免疫力が
 低下します。ストレスが溜まっていると感じたら、適度な運動を取り入れたり、笑顔の機  
 会を増やすことを意識しましょう。たとえ作り笑いだとしても声を出して笑うことで、異 
 物を攻撃してくれる免疫細胞の一つである「ナチュラルキラー細胞」が活性化すると言わ
 れています。


4 生活習慣の改善
  獲得免疫は睡眠中に強化されるため、睡眠が十分にとれていないと免疫力が低下しま
 す。研究では、平均睡眠時間が8時間以上の人に比べて、7時間以下の人は風邪をひく確率
 が3倍も上がるというデータも。また、免疫力を高めるには、睡眠の時間はもちろん、質
 も大切です。朝起きたらカーテンを開け、太陽光を浴びましょう。そうすることでセロト 
 ニンというホルモンが分泌され、セロトニンが夜にメラトニンに変化することによって、
 睡眠を促してくれます。
  セロトニンは、ウォーキングやスクワット、サイクリングのような、リズミカルな運動
 をすることでも分泌されます。適度な運動をすることで、幸福感を高めるエンドルフィン
 というホルモンが分泌され、同時にストレス解消にもつながります
  睡眠時間が少ないほど風邪を引きやすいというデータもあります。


 要するに、規則正しい生活をし、適度に運動し、バランスの良い食事をし、睡眠の質を上げ、ストレスレスの生活を送るということですが、なかなか難しいですね。
 でも、がんや認知症のリスク低減のため、少しでも近づかなくてはいけませんね。