終活事始め

最大の終活は、健康寿命をいかに長く維持し、周りに負担・迷惑をかけない取り組みをすることだと思います。

尿トラブルあれこれ(悲しい思い出を経て)

 病気や“シモ”の話が続いて恐縮ですが、頻尿、残尿、尿漏れの「尿」トラブルについてです。
 尿トラブルの問題は、どこにでも安心して出かけるためにも、健康寿命を充実させて過ごすためにも、乗り越えなくてはなりません。
 私は、尿が出にくいこともあって、トイレで構えているとき、後から来て勢いよく用を済ませて帰って行く人を羨ましく眺め、それが年長者だと尊敬の念を抱いてしまっています。


 最初は、15・6年前だったでしょうか、クリーニングから帰ってきた妻が「アー恥ずかしかった!」と言うのです。それは、夏物の薄い色の背広のズボンの又の部分に、「黄色い染みがある」「これはおしっこですね」と窓口のおばさんに言われたと言うのです。
 さんざ妻に言われたことと、排尿後の尿漏れ以外にも尿が出にくいとか残尿感もあったので会社の傍の泌尿器科医院を受診しました。


 直腸診や尿流(尿の出具合をみるもの)の検査を受け、前立腺は肥大していないけれど固いのかも?と言われ、排尿の問題を解決するものと含めて処方を受け服薬するようになりました。
 この初診時に、直腸診もいやだったのですが、尿流の検査はトラウマになりました。
 それは、見えないようになっていますが、先生が待っている中で尿をしなければならず、緊張のあまり尿がなかなか出なかったところ、先生から「まだ出ないの!」と叱咤が飛び
ますます委縮してしまった悲しい思い出です。
 出にくいから受診しているんです!!!
 この医院は、ほどなくして閉院してしまったのですが、このトラウマのため、新たな医院に行く気になれず、数年は受診せずにいました。


 60歳になる頃、やはり、尿が出にくく、排尿後の尿漏れや残尿感が増してきたため、トラウマを引きずりながらも、会社の傍のクリニックを受診したのですが、診察は超音波検査のみで、直腸診や尿流の検査はありませんでした。
 そういえば、以前は人間ドックで、必ず直腸診というものがあり、前立腺肥大を見るものだと思っていましたが、いつの間にか無くなってしまいましたね。
 私が勤めていた会社では、以前の健康診断は形式的なもので、別途人間ドックを受ける方が多かったため、福利厚生制度改革の一環として人間ドック並みの健康診断としたため、それで足り、人間ドックを改めて受けることがなくなってしまっていました。
 会社の健康診断では、前立腺ガンの血液検査であるPSA値の検査は入っていましたが、直腸診はなかったので、いつ頃、直腸診がなくなったのか定かではありません。
 その昔、人間ドックで若い女性の先生に直腸診をされたことがありました。やる方も嫌だったでしょうが、やられる方はもっと嫌で、これもトラウマでした。
 現在、人間ドックや会社の健康診断で実施する超音波検査の内容に前立腺は入っていないので、前立腺肥大での受診率が低下していないか心配です。


 最近、クリニックを会社の傍から自宅傍に変えました。
 検査が全く新しい手法になっていて、感動すら覚えたので、書いておこうと思いました。


 トイレは大小併設の個室で、広くて清潔です。
 まずは、採尿して、超音波で膀胱内の残尿量を測定します。そして、尿を顕微鏡により細菌などの有無の確認をしました。
 日を改めて、尿を溜めた状態で、前立腺と腎臓の超音波検査をし、その後、尿流検査と超音波での残尿量測定いう流れで、直腸診はありません。
 超音波検査のため、尿を溜めた状態ではありましたが、尿流検査にはトラウマがあるため、尿意が高まるまで検査は待っていただき、改めて水を飲んで待ちました。頻尿の気もあるのにこのような時に限って尿意が高まりません。
 2時間ほど経って、受付の女性にそろそろいかがですかと言われたので、「出るには出ますが勢いよく直ぐには出なさそう」と答えたのですが、「やってみましょう」ということでトイレに案内されました。
 検査方法は、大便器に座ってスタートボタンを押して排尿するだけなので、緊張感することなく、難なく検査を終えました。これで、排尿の強さと量の変化が分かるようです。このような方法だと分かっていたら、2時間も態勢を整える必要はありませんでした。


 結果は、前立腺も残尿量も通常程度で、尿中に細菌など認められませんでしたが、尿流が弱いとのことでした。普通は、最初勢いよく出て次第に弱くなる放物線を描くのだそうですが、私の場合、放物線を描いていない弱い一定量の排尿のようです。


 検査方法は、進化していました。昔のトラウマに引きずられている場合ではありません。
 少しでも不安があったら、検査は簡単ですので、直ぐに受診すべきです。
 そして、受診するならば、きちっと検査をして症状を確認してくれる泌尿器科専門クリニックにすべきと痛感しています。


 尿漏れも気になっているのですが、男性の排尿後の漏れは、尿を出し切ったつもりでも尿道内に尿が残り、後からジワジワ漏れ出すもので、「排尿後尿滴下」というのだそうです。
 原因は、尿道を締める筋肉の“衰え”により、筋肉の収縮機能が低下し、尿道に尿が残るものとか、“前立腺肥大症”により、尿の勢いが低下し、尿が残りやすくなるものなのだそうです。
 私の場合は、前立腺の問題はなさそうなのですが、膀胱から尿道に出て滞留している尿が漏れているようなので、時間をかけて滞留尿を出し切るようにと言われるとともに、漢方薬の処方をいただきましたが、骨盤底筋体操に励んで、筋肉の衰えに抗わなくてはいけないと改めて決意したところです。
 分かってはいるのですが、地道な努力が苦手です。

   愛用品です。
 テープで下着に止めるタイプで、最も軽い微量用10ccの尿モレケアパッドです。
 パンツタイプもありますが、このタイプでも10cc、20cc、45cc、80cc、120cc、200cc、250ccと“微量用”から“一気に出る時も安心用”まであります。
 世の中で、尿漏れ、失禁でお悩みの方が多いのだなと思い知らされます。
 微量用10ccのものでも、品名は「軽度失禁パッド(大人用紙おむつ)」とあります。
 「紙おむつ」「失禁」なんだと落ち込みはしますが、前に染みをつくるよりはましです。
 和田秀樹先生も「おむつを恥じるな。行動を広げる味方です。」とおっしゃっています。