終活事始め

最大の終活は、健康寿命をいかに長く維持し、周りに負担・迷惑をかけない取り組みをすることだと思います。

おばんざいについて

 おばんざいいいですね!
 京都に行くと、わざわざ、おばんざいの店を探したりしています。
 京都という町と始末の知恵で工夫して美味しく調理した惣菜は調和していますし、なにより美味しいから大好きです!
 ところが、京都の方々は、「おばんざい」とは言わず、普通に「おかず」と言うのだということを、NHKの番組を見て知り、これには驚きました。
 「おばんざい」という言葉は、京都の文化や食生活に憧れを持つ、京都在住の方以外に使われる言葉なのでしょうか?


 「おばんざい」は、嘉永年間の1849年に出た『年中番菜録』(青物、魚介類、塩物、干物、加工食品など計110種類以上の素材を使う料理書)に「民家の食事に関東にてはさう菜と称し関西にて雑用ものと唱ふる献立の数々をかき集て年中番菜録と名づけて」とあり、この当たりが言葉の発祥ではないかと推測されています。


 一躍使われ始めたのは、大村しげ(本名重子)さんの昭和41年に出版された『おばんざい京の味ごよみ』(中外書房刊)がきっかけのようです。
 大村しげさんは、大正7年京都・祇園の仕出し料理の店に生まれ、昭和29年、朝日新聞京都版に「おばんざい」を他2人と掲載し、それをまとめたものが『おばんざい京の味ごよみ』のようです。


 「おばんざい」という言葉については、大村しげさん自身が著書「京の暮しと“おばんざい”」(『暮しの設計 133 号』1980)の中で、「ハレの日の料理ではなくケの日のおかず」 としています。
 また、「季節」と「行事との関わり」の2つを重視していて、季節の食材や料理を忠実に守ること、また、雛祭、花見、端午の節句、祇園祭、地蔵盆、時代祭、月見、正月、節分などの行事にそれぞれ決まった料理を作るのが京都の特徴としているようです。


 「おばんざい」は「お晩菜」と書かれているものもありますが、「お番菜」と書くことが一般的です。
 「番」という字は、「番茶」や「番傘」のほか、「番煙管」「番具足」「番匠(大工のこと)」「番醤油」「番水」「番手桶」など、それぞれ“実用”、“粗末”を意味するために冠した語として使われています。
 私が伺った京都の店では、「常にある物」と説明されていました。


 また、京都には、この日にはこれを食べるとい う「決まりもん」があり、この「決まりもん」は、毎月のものと毎年のものがあり、おばんざいを構成する重要な要素となっています。
 にしんと昆布を炊いて食べる日、あらめとお揚げを炊いて食べる日、里芋と棒鱈を炊いて食べる日、お揚げとこんにゃくの葛引きのおつゆを食べる日、おからを煎って食べる日
などです。
 誰もが毎日ご飯を作っていれば、献立に困る時があり、その時、決まりきった食事の日があれば、その日は考える必要がなくなる画期的なシステムが決まりもんで、暮らしを豊かにする一方で日々の料理を気軽にする、生活の中で生まれた工夫なのだとか。


 これもテレビで見たのですが、京都の旧家杉本家では、奉公人が大勢いるので、やはりその都度献立を考えてはいられないため、毎日の献立が決まっていたのだそうです。
 その献立に従って、毎日、順番に作るから「お番菜」で、「番」は順番の番だという説明には納得してしまいました。


 ところで、このようなことを書いたのは、妻から「きょうは何にする?」と聞かれて、「なんでもいいよ」と答えると、「それが一番困る!」というやり取りが何回かあり、それでは、順番のお番菜はどうかと考えてみました。
 これはあくまでも目安で、京都のように「決まりもん」ではありませんので、その都度融通をきかせます。
 もちろん、手作りばかりでなく、テイクアウトの惣菜も含みます。
 強調しておきたいのは、私も料理が好きなので、煮物や煮込み料理などは私が作るものも多いのです。
 これには妻も同意して、我が家で定着し始めています。
 次のものは、秋バージョンで冬になると鍋の日が増えます。


御番菜 
 月 粉の日       
 火 肉の日
 水 魚の日
 木 中華の日
 金 肉の日
 土 魚の日
 日 鍋の日


肉の日  
 オムレツ、ハンバーグ、生姜焼き、ピーマンの肉詰め、チキン照り焼き・焼き鳥
 ビーフシチュー、チキンとシーフードトマト煮
 鉄板焼き・焼肉、ステーキ、ポトフ・ロールキャベツ、クリームシチュー、カレー
 揚げ物(とんかつ、メンチ、コロッケ、アジなど魚系フライ)
魚の日  
 煮魚(銀鱈、鰈、鯖、鰯)、焼き魚(鯖、秋刀魚・鰯)、照り焼き(鰤)
 バターソテー(かじき)、アクアパッツァ、ちゃんちゃん焼き、マカロニグラタン(シー
 フード(かき)・ひき肉と茄子)
 刺身、寿司、うなぎ、どじょう
中華の日  
 酢豚、回鍋肉、エビチリ、マーボー豆腐・茄子、野菜炒め、チンジャオロース
 餃子、焼売、くらげ酢、バンバンジー、にら・もやし玉、ゴーヤチャンプル
鍋の日  
 海鮮鍋、鶏なべ、水炊き、すき焼き、しゃぶしゃぶ、カレー鍋、キムチ鍋、
 おでん、湯豆腐
粉の日 
 お好み焼き、もんじゃ、焼きそば、スパゲティ、鍋焼きうどん
 チヂミ、(キンパ・ナムル・キムチなど韓国料理)、あんかけ焼きそば、ちゃんぽん


副菜 
 野菜サラダ、マカロニサラダ、ポテトサラダ、コールスロー、酢の物、もずく、めかぶ
 小松菜煮びたし、なす煮びたし、じゃこ獅子唐、オクラ和え、ささ身ポン酢
 肉じゃが、冷ややっこ、とうもろこし、焼き茄子、つくね、あさり酒蒸し
 大根煮(豚・鶏・鰤・いか・秋刀魚・昆布)、白和え、ごま和え
 茶碗蒸し、豚汁、けんちん汁、鮭大根汁
 筑前煮・野菜煮物


常備菜 
 酢玉ねぎ、酢大豆、かぼちゃはちみつ煮、枝豆


※ 酢玉ねぎはリンゴ酢とえごま油(オメガ3)、酢大豆は米酢とえごま油(オメガ3)で
 漬けたもので、かぼちゃはちみつ煮とともに毎晩食べることにしています。