レム睡眠(夢と金縛り)
睡眠研究の第一人者である柳沢正史先生監修の「睡眠の超基本」を読んで、特におもしろかったのがレム睡眠でした。
まずは、総論ですが、「睡眠」は、休憩タイムと捉えられがちですが、眠っている間も脳は活動していて、次のような重要な役割を果たしています。
記憶の定着 情報を整理して長期的記憶の確立
脳のメンテナンス 神経細胞の修復や情報の処理や削除
学習能力と判断能力の向上 学習内容の整理保存
精神的安定 ストレスや不安の軽減、感情の調節
免疫システムの強化 免疫機能の活性化
代謝調整 血糖値やホルモンバランスを調整し、エネルギーの効率的利用
身体の回復 各部位の細胞を修復し、疲労を軽減
外見調整 成長ホルモンを増加させ、肌のターンオーバー、脂肪の代謝促進
深い睡眠であるノンレム睡眠では、脳が新しい情報を整理して、過去の経験と結び付け、重要な物事に対する記憶の定着を強化します。
ノンレム睡眠はN1うとうと、N2すやすや、N3ぐっすりの3段階の深さがありますが、最も深いN3は深睡眠とも呼ばれ、成長ホルモンの分泌が活発になり、細胞の修復、疲労の回復や筋肉の成長、免疫システムの強化、ストレスホルモンの減少などをもたらします。
深い睡眠をたっぷりとることが健康に生きるための秘訣になります。
そして、レム睡眠なのですがこれもすごい役割を担っていることに驚いたのです。
レム睡眠とは、急速眼球運動(Rapid Eye Movements)と呼ばれる睡眠段階です。
レムは、急速眼球運動で、その頭文字のREMとは知りませんでした。
特徴は、急速眼球運動ですから、眼球が素早く動いている状態です。
筋肉は完全に脱力していて、脳は非常に活発で、脳の血流が増えることも分かっています。
レム睡眠の不足で起こることは、認知症を招くリスクです。
睡眠中のレム睡眠の割合が1%減ると、その後の平均12年間で認知症の発症リスクが9%上昇するといったデータがあります。
レム睡眠中に大脳皮質の毛細血管への赤血球の流入量が増加し、脳に必要な酸素や栄養素を送り届け、二酸化炭素や不要物を回収されるからと分析されています。
レム睡眠に限らず、睡眠が十分にとれないと認知症レスクが4倍になるという調査もあります。
睡眠中には脳脊髄液が脳内に流れ込み、老廃物を除去すると考えられており、睡眠時間が十分でないと、このプロセスが適切に行われず、アミロイドβが脳内に蓄積されやすくなり、認知症リスクが高まるのです。
長年疑問だった“夢”ですが、私たちが夢を見るのはレム睡眠中の段階で、夢を見る際には視覚情報を処理する必要があるため、脳は活発に活動し、眼球が夢のイメージに合わせて動く、正にREMという見解もあります。
レム睡眠には忘却作用があるため、起きたときには夢の内容を忘れてしまうのですが、朝方になると、レム睡眠が増えるため、起きた時に夢の内容を覚えていることもあります。
ただ、レム睡眠は加齢とともに減少します。
夢の内容は、日中の経験や感情の処理、問題解決、または無意識の願望の表出と考えられていますが、夢の内容はネガティブなことの方が多く、それは実際にストレスが多い環境に置かれた場合に、ストレスフルな夢を見ておくことで、ストレスに対する耐性を得るためという分析をされる方もいます。
そして“金縛り”の不思議ですが、金縛りは、身体が動かせない、亡くなった人などの幻覚が見える、胸やお腹に圧迫感や重さを感じ息苦しい、触られているような感覚などを主訴としてオカルトチックに語られていますが、医学的には睡眠麻痺と呼ばれるものです。
30~40%の方が1度は経験するのだそうですが、筋肉が弛緩して意識的に動かすことのできないレム睡眠中に、脳だけが覚醒することで引き起こされ、特に不規則な生活やストレスが多い時、身心に疲れが溜まっている状態で眠るときに多く現れます。
胸やお腹に重しが乗っているような感覚になり、息苦しいと感じることもあります。
金縛りの間に幻覚が見えることがありますが、それはレム睡眠中の夢見と同じで、不安な気持ちなど、感情をコントロールする脳の偏桃体が活発に活動するため、怖い幻覚を見ることも多くなります。
予防法は、しっかり睡眠をとり、疲れを溜めないことです。
このようなことが解明できるのも科学ですね。

このブログへのコメントはmuragonユーザー限定です。