終活事始め

最大の終活は、健康寿命をいかに長く維持し、周りに負担・迷惑をかけない取り組みをすることだと思います。

何て恐ろしい!“糖化”

 “糖化”、最近特に老化やアンチエイジングなどをキーワードに注目されていて、「あしたが変わるトリセツショー」や「健康カプセル!ゲンキの時間」でも取り上げられているのを視聴しました。


 “糖化”とは、体内でたんぱく質に余分な糖が結合して起きる反応で、結合の結果、たんぱく質が劣化して、老化の原因物質といわれるAGEs(advanced glycation end products・エイジス)が発生して、色々な老化現象・疾病が起きることが分かってきています。


 AGEsは、日本語では、「終末糖化産物」といい、簡単に言えば「身体のこげ」です。

 身体にこげができると、元に戻すことはできないのです。


 シワ・シミ・骨粗しょう症は、老化によるものが多いですが、それには“糖化”が大きく関っていて、「糖化=老化」なのです。

 肌のしなやかさは、コラーゲンがあるからなのですが、そこに糖がこびりついてAGEsができてしまうと、コラーゲンが硬くなってシワ・たるみの原因になるのです。


 糖化は、単に見た目の変化に止まらず、血管にAGEsが流れ込むと、血管をボロボロにしてしまうことが分かっており、血管から血液が漏れでることが慢性的に続けば、抹消に栄養分を届けることができなくなったり、老廃物を除去することができなくなるので、臓器の機能が損なわれ、動脈硬化(心筋梗塞・脳梗塞)、心血管疾患、肝臓病、腎臓病、糖尿病、がん、白内障、アルツハイマー病(認知症)、骨粗鬆症などの多くの病気の原因ともなりますので、深い理解が必要です。

 そう、糖化は万病の元なのです。


AGEsが体内に溜まった人は、そうでない人に比べて、糖尿病・心臓病のリスクが3倍に、病気による死亡のリスクが5倍になるというデータもあり、「糖化=寿命が短くなる」とも言え、老化のスピードは、このAGEsの蓄積が大きく影響するのです。


 ただ、救いはあるのです。

糖化の原因は普段の食生活にあるので、食生活を改善すれば、糖化年齢の若返りが可能なのです。

老化物質AGEsが身体の中に溜まるのには、2つの経路がありますので、これを断つのは難しくても、最小限に抑えることが大切です。


1つ目の経路は、「体内で合成され蓄積」です。

 炭水化物など糖質を摂取すると、血中の中に糖があふれ出して(血糖値が高い状態)、血管内に余った糖(ブドウ糖)はたんぱく質に結合してAGEsができます。

 ここで重要なことは、血糖値を上げないことです。

 個人差があるところですが、食後高血糖値が高くなる方は注意が必要です。

 早食い・ドカ食いは満腹感を得にくく、糖質を過剰に摂取しやすいので改めたいです。

 食材としても、とろろ、オクラなどネバネバ食材は、含んでいるぺプチンが糖質をコーティングして吸収を抑制してくれますし、野菜などの食物繊維が豊富な食材なども血糖値が上がるスピードを弱めてくれますので、積極的に摂取したい食材です。

 ブロッコリースプラウトは、糖化反応を抑えてくれますので摂取は有効です。

 そして食べる順番としてもベジファーストが推奨されます。

 また、同じ糖質類でも、GI値が低い食材を選ぶのも対策の1つです。


2つ目の経路は、「AGEsを直接摂取し体内に蓄積」です。

 普段食べているものの中に、既にAGEsとなっているものがあり、それを食べると身体の中で吸収されて、細胞にAGEsが溜まって老化してしまいます。

 揚げ物のきつね色の部分がAGEsです。

 たんぱく質と糖は、熱を加えることで結合し、AGEsに変化してしまうのです。

 小麦粉をまぶして高温であげる揚げ物はAGEsを多く含む食品の代表格です。

 ただ、レモンなどをかけると、クエン酸がたんぱく質と糖の結合を抑え、糖化反応を抑制してくれます。

 調理法で、AGEsの発生が少ない順は、生、茹でる・蒸す、煮る、炒める、焼く・上げるです。

 1日の食事によるAGEs摂取量は8000ku程度が理想とされ、鶏のから揚げ1人前は5641kuです。


 食事以外でも糖化を防ぐには、運動が効果的です。

 運動には、糖の代謝を促進し、食後の血糖値スパイクや肥満を予防する効果があり、糖化を抑えるのに役立ちます。

30分に3分、1時間に6分立ち上げって動く「ちょこまか運動」でもいいのです。

 そして、食後の血糖値は、糖の代謝が間に合わないと、糖化進行の原因となりますが、有酸素運動などで、筋肉を使うと、糖が筋肉で代謝され、糖化の予防になります。

特に、食後高血糖値が高くなる方は、食後30分程度後のピーク時に運動をすることが効果的です。

 

 笑う(笑顔)も糖化対策に有効です。

 緊張して交感神経が活性化するとAGEsが溜まりやすくなります。

 笑ってリラックスするとAGEsの蓄積を抑制できるのです。

 

 睡眠も重要で、眠っている間は副交感神経が優位のリラックス状態なので「笑う」のと同じ効果があるのです。


 糖質制限は、単に糖質に着目するだけでなく、AGEsの合成や摂取についても意識しなければならないですね。